簡単で確実なカテーテル,ドレーンの固定法


 簡単で確実なカテーテル固定法を伝授します。なおこの方法は私のオリジナルではなく,Smith & Nepnew社のWOCの方に教えていただいた方法です。


まず,カテーテルの模式図。なんて手抜き,なんて言わないこと。
次に接着剤付きのフィルム材を準備。同じ大きさで2枚用意します。
そしてまず1枚を図のように張ります。カテーテル刺入部がちょうど真ん中になるようにします。
そして,もう一枚のフィルム材を取り出し,対側に張ります。これもカテーテル刺入部が中心になるようにします。つまり,2枚のフィルム材の接着面でカテーテルを挟み込むようにするわけです。
固定はこれでお終い。縫合糸による固定も不要です。


 実際にやってみるとわかりますが,カテーテルはしっかりと固定され,皮膚との接着性も十分あります。もちろん,フィルム材の面積を大きくすればするほど,固定は確実になります。カテーテルを引っ張っても,縫合糸固定よりはかなり強力です。
 コツは貼付前に皮膚の垢を十分に落としておくこと(垢が付いていると,フィルム材が垢と一緒に剥がれちゃうぞ)

 難点は,フィルム材を剥がすのがちょっと面倒なこと。実際にはカテーテルについている部分から剥がすしかありませんが,さすがにこの時はちょっと慎重にしましょうね。
 この方法はカテーテルだけでなく,閉鎖式ドレーンなどの固定にも威力を発揮するはずです。


 通常,カテーテルやドレーンは縫合糸固定をしますが,皆様ご存知のように,この方法は確実性に欠けます。強く結べばカテーテルが潰れるかちぎれるし,弱ければカテーテルが動いてしまう。ちょうどよい強さで結んだところで,結局は皮膚縫合部で縫合糸膿瘍を作るか,皮膚が裂けてしまうかのいずれかです。

 上記の「2枚のフィルム材挟み込み固定」法は絶対的な方法ではありませんが,従来からの縫合糸固定法に比べれば,格段に安定感があります。

(2004/04/28)

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