『痒みに関する人体実験 1』
病院では半袖の白衣で生活しているが,空気が乾燥しているためか,時々,露出部の前腕などが猛烈に痒くなる事がある。こういう時に掻くと気持ちいいが,気持ちがいいのはその時だけで,掻いた後に更に痒くなる。どうも,掻くことによって皮膚が傷つけられ,それで更に痒みが惹起されているらしい。皮膚が傷つくと痛いけれど,痒みと言うのは実は,「一番軽い痛み」なんでしょう。
キズがついて痒いのであればキズを治せば痒みはなくなる,というわけで,ワセリンを塗ったり,フィルム材を張っておくと,実は痒みは止まってしまう。これらを塗布したり貼付したりすると,掻いても皮膚が傷つくわけでないから,そのうち痒みも忘れちゃう。
そこで自分の体を使って人体実験してみた。痒くなったところの半分はワセリン,残り半分は痒み止め軟膏(ステロイド入り)を塗布してみた。何度か試してみたが,両者で差があるのは塗布した直後だけで,5~10分すると両者で差はなくなるようだ。つまり,ワセリン単独と痒み止め軟膏で,痒みを抑える効果に差はないような感じなのである。
もしかしたら,痒み止め軟膏の痒み止め効果って,単に「傷ついた皮膚表面を油脂性基剤で覆った」ことによる保護効果だけじゃないんだろうか? わが身を使った人体実験ではそう推論できそうだ。
『痒みに関する人体実験 2』
それと,やはり自分を使った人体実験だが,入浴の際に「垢すりタイプのナイロンタオル」で石鹸で洗ったのと,石鹸を手のひらにつけて洗ったのでは,入浴後の痒みがまるで違う。もちろん,前者の方がひどい・・・というか後者にしたら痒みが発生しない。
どうも,乾燥肌,カサカサ肌にナイロンタオルは使っちゃいけないものらしい。
そこで提案。上記の人体実験はあくまでN=1であって,これでもって結論を出すのは無理と言うもの。そこで勇気ある皆様にしていただきたいのは,「わが身を使った人体実験と結果」の報告です。実験デザインは次の通り。
お暇がある方で,この「痒みに関する人体実験」に参加してみようと言う奇特な方がいらっしゃいましたら,是非,データをお寄せ下さい。
なお,上記の実験のアイディアを元にして実験して,論文を書いたり学会で発表したりする方がいらっしゃっても,それはそれで構いませんし,私に断る必要もありません。この程度のアイディアでしたら,いくらでもお使い下さい。
(2004/04/06)