特異な経過をたどった前額部挫創(投稿)


 これは水口先生からお寄せいただいた,小児の前額部挫創の症例です。ちょっと面白い経過だったので掲載することにしました。なお,掲載については患者さんも了承なさっているそうです。なお,写真と経過の説明は水口先生の文章で,一部修正してあります。


 症例は転倒して前額部に挫創を受傷した7歳児。

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  1. 最初の写真は受傷当日で、皮下組織までの挫傷と思われた。
  2. デュオアクティブETにて治療した一日目の写真。皮下組織まで損傷されていると思われたのに,一日にして過剰肉芽を思わせる肉芽(?)があがり,創面を覆っている。となると,最初の損傷の深さはどこまでだったのか?
  3. 4日目の状態。このまま上皮ができて治ってしまうのかと思いきや、ここからは他の治療例の過程と同じになり,真皮までの損傷の部分は治り,皮下組織までの部分はまだ上皮化していない。この写真2の肉芽は正常に状態の肉芽としてよかったのだろうか。
  4. 11日目でほぼ上皮化。治療の全経過でデュオアクティブETを使用。皮下組織までの損傷部位はやや陥凹した状態で治ってしまった。ハイドロサイトを使った方が圧迫効果のためか段差はできないような印象があるが,ハイドロサイトを使うべきだったのか。


 最初の写真を見る限り,やはり損傷は深かったのだろうと思われますが,そうなると翌日の肉芽(?)の盛り上がりが説明できません。となると,これは正常の肉芽でなかったのかなぁ? それ以降の経過を見ると,やはり正常に肉芽でないような気がします。じゃあ,それは何なのか・・・と,また問題は逆戻り。

 皆様,いかがお考えでしょうか。

(1504/03/03)

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