10%尿素含有クリームと20%尿素含有クリームの正常皮膚への影響


【目 的】
 前回の実験で10%尿素含有ハンドクリームの皮膚に対する破壊作用を観察したが,それが基剤のクリームによるものなのか,尿素によるものかは判断できなかった。そこで,10%尿素含有クリーム(アトリックス尿素10%クリーム)20%尿素含有クリーム(ケラチナミンコーワ軟膏(R))を正常皮膚に作用させ,どのように変化するかを調べる。


【Material and Method】
 自分の左前腕尺側近部部に近接した2箇所の直径1センチの部位を決め,ここを実験部位とした。各々に10%尿素含有クリームと20%尿素含有クリームを塗布してフィルム材のパーミロールで密封した。
 一日に2回から4回,クリームを洗い落としてその部位を実体顕微鏡Dino-Lite Plusで観察し,再度クリームを塗布してパーミロールで閉鎖した。


【結 果】

3月12日:実験前の状態 左前腕で実験

 3月12日,実験開始。近部部に20%尿素クリーム,遠位部を10%尿素クリームとした。それにしても,以前の実験部位の傷跡がなんとも痛々しい。


3月13日:10%尿素クリーム 20%尿素クリーム

 3月13日。この時点では痒みや痛みなどの症状はなく,顕微鏡で見てもあまり違いはなかった。しいて言えば,20%尿素クリームのほうがやや皮膚紋理が浅くなったような印象がある。


3月14日:10%尿素クリーム 20%尿素クリーム

 3月14日。20%尿素クリーム塗布部では皮膚紋理が浅くなってきたことがはっきりわかる。


3月15日:10%尿素クリーム 20%尿素クリーム

 3月15日。肉眼で見ても20%尿素クリーム塗布部は白っぽく,顕微鏡で見ると皮膚紋理がはっきりせず,全体にのっぺりして溶けているような感じに見える。


3月16日:10%尿素クリーム 20%尿素クリーム 20%尿素クリーム

 3月16日。10%尿素クリーム塗布部でも皮膚紋理が浅くなっていることがわかる。一方,20%尿素クリーム塗布部位には発赤のある局面が認められる。体感的にも20%尿素塗布部位のみに痒みを感じた。


3月17日:10%尿素クリーム 20%尿素クリーム 20%尿素クリーム

 3月17日。10%尿素クリーム塗布部でも皮膚紋理が浅くなり,発赤が認められるようになった。20%尿素クリーム塗布部では数箇所,潰瘍が出現した。潰瘍がない部分でも全体がのっぺりと溶けているような感じになり,ピントを合わせにくい。潰瘍が出現し,以前の実験からここに尿素クリームを塗布し続けるとさらに深刻な潰瘍になることが予想されたため,これで実験終了とした。


【感想のようなもの】
 クリームも皮膚に害があるが,それ以上に有害なのが尿素だということがほぼ断定できた。顕微鏡で観察する限り,皮膚を溶かしているとしか思えない破壊力を持っているようだ。こんなものを「保湿クリーム」として販売しているのはインチキとしか思えない。
 尿素クリームは角質を溶かすのではない,皮膚を溶かしているのだと思う。

 上の写真を見たあなた,これでもあなたは尿素クリームを使いますか? インチキ商品を自分の皮膚に塗りますか?

(2008/03/19)

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