【目 的】
前回に引き続き,角質破壊創面にイソジンゲルを塗布する実験を追試する。
【Material and Method】
筆者の左大腿内側近部部を実験部位とし,ガムテープで張っては剥がす操作を60回行って角質を破壊し,ここを二つに分け,近位側をイソジンゲル塗布,遠位側をプラスモイスト貼付部とし,痛みの程度と創面の変化を観察した。創面の変化は実体顕微鏡Dino-Lite Plusで行い,拡大率は65倍とした。
【結 果】
3月13日:実験前 | 角質破壊後 |
3月14日:イソジンゲル | プラスモイスト |
塗布してから18時間後の状態。イソジンゲル塗布開始直後から患部にはチクチクした痛みが生じ,これがしばらく続き,少しぶつかっただけでも痛みがぶり返した。入浴時に洗うと,かなりの痛みで憂鬱になった。
一方,プラスモイスト貼付部位はこの時点ではまったく痛みはなく,洗っても痛みはなかった。
3月15日早朝:イソジンゲル | イソジンゲルの別の場所 | プラスモイスト |
3月15日早朝の状態。早くもイソジンゲル塗布部位には潰瘍が出現し,潰瘍がない部分も血管拡張と思われる所見があり,赤い色調が非常に強い。痛みはさらに強くなっている。
プラスモイスト貼付部は既に滲出液はほとんどなく,触っても痛くなかった。
3月15日夜:イソジンゲル | イソジンゲルの他部位 | プラスモイスト |
その夜の状態。イソジンゲル塗布部は全体に潰瘍が出現し,非常に痛みが強く,ここで実験を断念した。
プラスモイスト貼付部には全く滲出液はなく,触っても痛みはなく,ちょっとざらついているくらいであった。
イソジンゲルとプラスモイストの境界部 |
イソジンゲル塗布部(写真上半分),プラスモイスト貼付部(写真右下),非角質破壊部分(写真左下)の境界部。プラスモイスト貼付部は発赤は残っているが,それなりに皮膚が再生しているようだ。一方,イソジンゲル塗布部は潰瘍を伴った激しい発赤が認められる。自分で見ても痛々しい。
【考察みたいなもの】
とにかくイソジンゲルは痛い。こんなものを患者の傷に塗っている医者がいることが信じられないし,そういう医者の人間性を疑う。患者に激痛を与えることを知っていてイソジンゲルを使っている医者は単なるサディストだろうし,知らずに使っている医者は単なる無知である。無知にしろサディストにしろ,患者にとっては迷惑千万な医者であり,さっさと引退して欲しいと思う。
(2008/03/18)