見るだけ時間の無駄というクズ映画の典型。演技力も華もない俳優さんたち,しょぼすぎるCG,説明不足のストーリー,センスのない音楽と,褒めるところが見つかりません。登場人物が少ないのに,それぞれの人物像もお互いの関係も説明不足というのですから,気合の入った手の抜き方です。おまけに,この手のクズホラー映画に必須のお色気サービスシーンもありません。ヒロイン役の女の子はちょっと美形の巨乳系なんですが,チラッとも巨乳本体を見せてくれません。クズ映画のくせに何を考えているんでしょうか。クズ映画の風上にも置けないとはこのことです。それでいて,スプラッターシーンだけはかなり気合いが入っていますから,一体何の映画なんだといいたくなります。
ちなみに,インターメディオとは死者と生者の中間の存在なんだとか。死人の血液でそいつらを操ることができるんだとか。このインターメディオ君たちはCGなんですが,これがしょぼいのなんのって,とても21世紀の映画とは思えない素朴さというか,物悲しさです。
舞台はアメリカとメキシコ国境にある洞窟。一台の自動車に男二人,男女の幼児二人が乗っています。どうやら二組の親子らしいです。この親父二人が麻薬がらみのお仕事(?)で,それぞれの子供を車に残したまま洞窟に入ります。そこで何者かに襲われて帰ってきません。
で,舞台はいきなり18年後に飛びます。さっきの子供二人はどうやら20代のお兄さん,お姉さんに成長した模様です。お兄ちゃんの方は若いのにメタボ体型のマリク君,お姉ちゃんの方はジェンちゃんだったかな。あとは,マリクの恋人(名前忘れちゃった)は数日前に足を怪我したとかで松葉杖姿,そしてジェンの恋人のお兄ちゃん,この4人が主要登場人物です。ちなみにマリク役は《ターミネーター2》の美少年役だったエドワード・ファーロングですが,まだ若いのに「その腹,やばくね?」というくらいのメタボ青年に成長しています。幼くしてスターになった子役の悲惨な末路,諸行無常という言葉が脳裏をよぎります。
ジェンの恋人がマリクに麻薬取引の話を持ち込み,ブツの受け渡しは洞窟なんですが,なんと都合よく,二人の父親が姿を消したあの洞窟だったんですよ。で,麻薬で一儲けしたいし,父親失踪の真相も確かめたいというわけで,4人は仲良く洞窟に入ります。洞窟といっても,電灯がついていて炭鉱みたいな感じですね。洞窟に入るというのにこの4人は何の装備も持っていません。懐中電灯くらい持っていくという知恵もないようです。
おまけに一人は松葉杖姿。何でこの姉ちゃん,外で待たないんでしょうか。松葉杖をついて洞窟に入るのはお馬鹿さんとしか言いようがありませんが,どうやら,外で待つという知恵もなかったようです。
そしたらその洞窟,なんとインターメディオ君たちの巣窟で,おまけにそいつらを操る奴がいて,次々と怪奇現象が起きては一人,また一人と殺されていき,洞窟なんだか廃坑なんだかわからないところを右往左往する・・・という映画です。
とにかく出来が悪い映画だということは前述の通りです。最後のほうでインターメディオ君たちを操る黒幕の正体が明かさ,一応,動機みたいなのを説明しますが,見ているほうには訳がわかりません。あと,インターメディオ君たちを操る血の入ったブレスレットが重要アイテムなんですが,これについての説明も不十分です。
で,マリクとマリクの父は親子二代で麻薬取引でおなじ洞窟に入るのですから,血は争えないというか,家業というか,一子相伝のお仕事なんでしょうね。
それはおいといて,洞窟に入る4人の若者,馬鹿者級にうるさいです。ギャアギャア喚いているか怒鳴りあいをしています。どいつもこいつも,頭悪そうです。そして,妙に力一杯しゃべっている感じの演技が鬱陶しいです。早く死んでほしいなぁ,と思うくらいうるさい連中ですが,なかなか死んでくれません。残念です。
準主役とも言うべきインターメディオ君たちですが,21世紀に作られた映画とは到底信じられない安っぽいCGが涙を誘い,昭和の香り漂う画面が郷愁を誘います。その中で,なぜか虐殺シーンはマジに作っていて,目玉に突き刺さったり,胴体が半分になったり,結構グロイです。もしかしたら,このグロシーンに金を使い果たしてしまい,CGに回す金がなくなったんでしょうか。
マリクとジェンの関係がわかりにくいです。最初のシーンを見ていると兄妹みたいに見えるし,私はそうだとばかり思ってみていたら,最後のシーンで二人は結婚するんですよ。そこで初めて,この二人の関係がわかった私,ちょっとお間抜けです。というか,この二人の関係,近親相姦チックでなんだか変な感じです。
・・・というわけで,意味不明と説明不足とご都合主義と超適当,という言葉を一緒くたにかき混ぜるとこの映画の出来上がり・・・ってか?
(2007/11/02)