一言で言えばクズ級ゾンビ映画でございます。これよりひどいレベルのゾンビ映画となると,幾つかしか思いつきませんが,一応最後まで見るとストーリーらしきものというか,起承転結はあるので,ま,多少でもましな方でしょうか。つまり,最底辺レベル映画よりはちょっと上等です。
そして,「学生の映画同好会自主制作レベル」のクズ映画のくせに,生意気にも100分を超える長尺です。展開が単調なんで50分を過ぎたあたりから飽きてきますが,我慢して最後まで見るとそれなりに謎解きがしてあって,その点はちょっぴり良心的でした。
それと,グロさと気色悪さは一級品(もどき)です。おなかを裂いて臓物を取り出して喰うシーンとか,口から寄生虫を吐き出してそれがにょろにょろ動いているシーンとか,顔面骨から皮膚と軟部組織をむしりとるシーンとか,かなり力を入れて作っています。多分,こういうシーンを作りたくて作った映画なんでしょう。とりわけ,寄生虫にょろにょろのシーンはこの手の生物が苦手は人には悲鳴物でしょう。
ちなみに,画面から判断する限り,シマミミズ(のなかま)がよく登場し,その他,回虫みたいな動きをする奴も出演(?)しています。あとは,芋虫型の昆虫の幼虫が数種類かな。形からすると大きなアブの終令幼虫みたいに見えます。日本のウシアブの幼虫よりははるかに大きいですが,私の知識ではそれ以上はわかりません。このあたりに詳しい人は,是非,このクズ映画を見てご確認ください。
えーと,どんな内容の映画だったっけ。そうだ,アレックスという若い男性がいて,原因不明の骨の病気にかかっているんだ。そして,彼の妻,クリスティンが自宅療養の夫を支えています。しかし,保険に入っていないアレックスなので医者にかかることはできません。そこで,アレックスの親友,トーマスが「骨の病気には骨を食べるしかない」と考え,墓場から死体を掘り出して骨を取り出し(何しろトーマスは死体安置所に勤めているのだ),それを砕いて粉末にし,「これは薬だよ」とクリスティンに渡すんですよ。それで食べ物に混ぜてアレックスに食べさせるんだけど,次第に体が弱ってくるのだよ。そして,吐血と下血をしたと思ったら,出てきたのはゲロとウンコでなくてニョロニョロとうごめく寄生虫なんだよ。どうやらトーマスが持ってきてくれた骨は腐っていて,寄生虫がついていたんだね。
一方,夜の墓場ではゾンビと化した死体が蘇り,アレックスとクリスティンのいる家目指して集まってくるのです(なぜ,アレックスをゾンビ君たちが狙うのかは,最後の方で説明があります。知りたかったら,最後まで我慢してみようね)。
そして,アレックス以外の登場人物があらかた喰われた頃,街の中にはゾンビがうようよ,というお約束の場面があり,軍隊(?)との最終戦争に突入する・・・という感じでストーリーは進むのでありました。
保険に入っていなくて病院にかかれないアレックス君,可哀想ですねぇ。そして,「骨の病気には骨を食べればいい」と考えるトーマス君,頭いいですねぇ。そして,墓場を掘り起こしてでも骨を手に入れようとするトーマス君,友達思いのいい奴です。
でも,死体だと思って運んできた女性が息を吹き返した時(?),電動のこぎりで体を切り刻んで殺しちゃいますから,もしかすると悪い奴かもしれません。
日本語吹き替えは本職とは思えませんが,「台詞棒読み」レベルよりちょっとマシ,程度ですから,下手な日本語を聞きたくない人は字幕バージョンで見ることをオススメします。
最後にゾンビがうようよするするシーンでは,派手に車が何台か横転などして壊れるシーンがあり,ここはちょっぴりお金をかけています。とはいっても,向こうから走ってくる時点で既に「この車,壊れてない?」という感じのボロ車ですけどね。この部分とグロ部分にしか金をかけてません。
あっ,もう一つ見所を忘れていた。アレックスの奥さんのクリスティン,ちょっぴり(?)ぽっちゃり体系ですが素晴らしい巨乳さんです。服の上からでもはっきりわかるスイカップ(数年前の流行語だけど)でございます。しかも,前後の脈絡のないオッパイ・サービスシーンもございます。
が,あとは何にも印象に残っていません。そういう映画です。
(2008/05/28)