《女子高生ロボット戦争》 (2001年,アメリカ)


 クズ映画の宝庫といえば,ご存知アルバトロスコアですが,そのアルバトロスに「女子高生三部作」というのがあります。《女子高生チェーンソー》《チアリーダー忍者》,そしてこの《女子高生ロボット戦争》です。どれもこれも,超恥ずかしいタイトルで内容もムチャクチャですが,この《ロボット戦争》はかなりまともというか,ネジは2,3本抜けているけど普通の青春映画です。余計なお色気シーン(サービスシーンとも言うけど)はなく,むしろ,努力,根性,友情という「少年ジャンプ系」の香りすら漂わせています。おまけに,ベタなギャグを真面目に(?)にやっているので,それがこの21世紀では妙に新鮮です。


 内容は単純で,ブリトニーとアリーは仲良し女子高生。ブリトニーは成績トップのがり勉少女で,ロボット工学からナノテクノロジーの技術にまで精通している天才少女。かたやアリーは格闘技からアメフトまであらゆるスポーツに通じる天才スポ根少女(アメフトでは男子学生を蹴散らして独走しちゃうんだぜ)。こんな二人なんで,周囲からは奇異の目で見られてしまいがちで,それが逆に二人の友情を強くしていたのです。

 しかし,二人が学ぶ田舎の高校にロサンゼルスからイケメン転校生のクリスがやって来たからさあ大変。ブリトニーもアリーも彼に一目惚れしちゃって,アリーが先に彼と仲良くなったもんだから,二人の友情はあっけなく瓦解崩壊。

 体力でも色気でもアリーに勝てないブリトニーはナノテクを駆使して「悪臭フェロモン」を作りアリーとクリスの初デートの邪魔をしたり,アメフトの試合では相手選手にドーピングの薬を盛って試合に勝てなくしちゃう。そしてついにブリトニーが完成させた巨大ロボがアリーの前に立ちはだかり・・・ってな,すごい映画でございます。


 何が素晴らしいって,巨大ロボが登場するシーンは正味40秒ほどです。しかも,アリーが金属バットで殴ると壊れちゃいます。さすがはスポーツ天才少女・・・っていう問題じゃないだろ! 40秒しか登場しないロボットを映画タイトルにするアルバトロスのセンスがナイスです。しかもDVDジャケットを見ると,ビルと同じ大きさのロボットなのに,なぜか映画で登場するのはせいぜい4メートルくらいです。小型軽量化に成功した模様です。

 しかも,がり勉ブリトニーちゃんは普段は眼鏡のダサダサ女の子なのですが,眼鏡をはずすと実は美少女だった,という昭和時代の漫画の王道を見事に守っているのですよ。ブリちゃん,超美少女ではないんですが,何しろそれまでのダサダサぶりとの落差が大きいもんだから,余計可愛く見えてきます。しかも,慣れないハイヒールを履いたのはいいけれど躓いて転んじゃう,というお約束シーンもあったしね。対するスポ根少女のアリーも,それまでは普通のお転婆お姉ちゃんなんですが,恋に目覚めてからは美少女に変身! 彼女のほうは正統派の美少女ちゃんですが,ブリちゃんはか細い二の腕なのにアリーちゃんのほうはちょっと逞しい二の腕だったりして,その辺も妙にリアルです。


 40秒で倒されるロボットのほかにブリちゃんが対アリー用に開発するのが,ミサイルが発射できるグローブとミサイルランチャーです。両手のミサイル発射グローブから4本ずつ小さなミサイルが飛ぶシーン,ちょっといいです。というか欲しくなります。amazon.comで打っていたら絶対に衝動買いします。ちなみに,ランチャーから発射されたミサイルは校長先生の禿げた額に当たって軌道がそれる,というお約束を守っています。

 そして,兵器を使いまくっても勝負がつかない二人は,ついに格闘技で決着をつけます。えっ,ブリちゃん,ひ弱少女だったんじゃないの? でも心配不要。勉強ができるブリちゃんは格闘技の説明書を読んでカンフーをマスターしたんだ。そして最後は,夕日に照らされた学校の屋上でカンフーファイトとなり,死力を尽くして戦ったあと和解し,手をつないで帰っていくんだ。もちろん,二人の友情は不滅なのだ! ここまで清々しい友情シーン,久々に見たよ。おら,感動しただよ。少年ジャンプの世界だよ。番長漫画の世界だよ。

 そのほかにも,学校のカウンセラーの先生が「高校生のうちに恋人を作ると,すぐに子供ができて,それで結婚することになって,結婚してからも毎年子供が生まれて,母ちゃんはどんどん太っていって・・・」って諭すんだけど,それって君の人生だろ,って大笑いシーンもあるし,ブリちゃんがクリスに誘われて踊るシーンは,最初はぎこちなくて次第に上手くなっていく様子がなんだか良かったし,アメフトの相手チームがドーピングでどんどん興奮していくシーンも笑ってしまった。どれもベタなんだけど,ここまでベタだと変に新鮮に感じちゃうんだな。


 もちろん,映画としては超低予算映画でしょうから,もうちょっと金をかけて作らせてやりたかったな,という気がします。ロボットのシーンにしてもミサイルのシーンにしてもカンフーファイトのシーンにしても,もうちょっと時間をかけて撮ったら,もっと面白いものになったでしょう。映画としてのアイディアはいいのですから,もっと色々な仕掛けを随所に仕掛けてCGなんかもしっかり作らせたら,結構いい映画になったんではないかと思います。

 というわけで,思いがけない拾い物映画でした。

(2008/05/09)

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