《デッドエンド》 (2003年,ドイツ)


 DVDのジャケットを見るとなんだか恐ろしげなホラー映画かな,と思っちゃいますが,ホラーでもなければサスペンス映画でもないし,クズ映画じゃないけど傑作じゃないし,おどろおどろしい映像効果が多用されているのに実は人情映画という,なんだか中途半端な映画です。映像的に凝りまくっていて,いかにも「出るぞ,出るぞ」と見ている人を脅かしてきますが,全て肩透かしに終わってしまいます。ドイツ人,何を考えているのかわかりません。

 えーと,主要登場人物は仲良し4人組の独身女性,ピア,ヤスミン(英語読みだとジャスミンですね),スザンヌ,クリスティーヌです。ピアが自宅でのホームパーティーを開いて3人を招くんだけど,ピアがオカルト好きのため次第にそっちの話題になり,「コックリさん@ドイツバージョン(?)」が始まります。そして,48時間以内に起こる出来事を占うのですが,なんと,「死」と「黒い男」の文字が次々と指し示されます。3人はそれを本気にしませんが,次々と不思議な事件が起こり,最後,驚愕の事実が!・・・ってな映画でございました。


 前述のように映像的にはかなり凝っています。場面転換の小道具の使い方とか,天井側からの俯瞰的映像が多用されていて,しかも,4つのエピソードごとに撮り方の癖が違っているような印象を受けます。もしかしたら,それぞれのエピソードごとに撮影監督が異なっているのかもしれません。


 肝腎の映画の内容ですが,「自己暗示にかかると何でも怖いんだよ」という一言でお終い。色々な事件が起きますが,終わってしまうと単に3人が勝手な思い込みから事件になっただけなんですね。しかも,取り上げられるのはそういう「本来事件ですらないどうでもいい出来事」ですから,結局それって何だったの,という感じです。工芸家のヤスミンが出会う美大時代の教授にしろ,クリスティーヌのルームメイトの女性と付き合っている若い男とか,いかにもやばそうな雰囲気を漂わせていて,どう見ても犯罪者としか見えないような登場の仕方なんですが,全て羊頭狗肉です。かなりショッキングなシーンもあるんですが,終わってみればなんでもないわけで,それならそんなに脅かすなよ,と文句をつけたくなります。

 特に,女医のスザンヌを見舞う事件は最後までよくわかりません。ブラジル(?)の先住民族の男に原因不明の高熱が続き,彼女の病院に運ばれます。スザンヌは,上司がまだ認められていない抗生物質で人体実験しているんじゃないかと疑うのですが,その真相は最後まで説明されないし,その患者が暴れる理由も不明だし,患者が持っていたものが何だったのかも説明なし。患者さんとスザンヌが木の根元で並んで座っておしまいになりますが,こんなんで終わりなの,という感じです。
 先住民族である必然性もなければ,原因不明の高熱も最後まで説明なし。なんじゃ,そりゃ?

 最後の結末でピアがどうなるかは,勘のいい人なら予想がつくでしょうね。というか,これしか結末は考えられませんから・・・。

 それと,「死と黒い男」という言葉に不安を持ったとき,48時間で何が起こるのか,何が変わるのか,というのがこの映画のテーマだとすると,ちょっとひどすぎますよね。だって,ヤスミンと恩師の間の関係はこれで壊れるだろうし,クリスティーヌは仕事での信用をなくしちゃうし,スザンヌだってあの事件の後じゃ,病院で仕事が続けられないんじゃないでしょうか。それで,最後にいくら人情劇モード,お涙頂戴モードになったとしても,ちょっとなあ,と思ってしまいます。


 4人の女優さんは特にすごい魅力があるタイプではありませんが,いわゆる「個性的美人」といえば無難かな。でも,ピアは胸の谷間を強調しすぎでかえって暑苦しい感じでしたね。

 というわけで,最後の結末見たさに最後まで我慢して鑑賞しましたが,ストーリーの展開のテンポが妙に遅いため,途中で何度か眠くなってしまいました。眠れない時にはいいかもしれません。

(2008/05/0)

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