《デスバーガー DRIVE-THRU》 (2006年,アメリカ)


 絵に描いたような,しょうもないB級シリアルキラー系ホラー映画。一応ストリーはあるし,雑ながらも謎解きはあるし,超低予算でもないようだし・・・というわけで,私がよく見るクズ映画級のひどさではありませんが,かといって褒めるところはないし,意外性は皆無・・・というわけで,一言でいえば全てにおいて小粒な感じのホラー映画でございました。


 どういう映画かというと,アメリカ全土で大ブレイク中のハンバーガー・チェーン「ヘラ・バーガー」というのがあって,そのキャラクターのピエロ(ホーニーという名前らしい)がなぜか高校生たちを殺しまくるというナイスな内容です。
 《デスバーガー》というタイトルを見ると,巨大化したハンバーガーが人を襲うとか(そういうスプラッター系の映画は実在します),殺した人肉を混ぜたハンバーガーの味が評判になるとか,そっち系の映画を想像してしまいますがそっちの方には全く展開しません。ちなみに原題は《ドライブ・スルー》です。

 主人公はもうすぐ18歳の誕生日という女子高生のマッケンジーちゃん(ちょっと美形のピチピチお姉さんです)。マリファナを吸ったり,家(プール付きの豪邸だぞ)で友人を集めてパーティーをしたりする「アメリカ映画では普通の」お姉さんです。ところが,そのパーティーの最中に若い男女4人が惨殺されるという事件が起き,解決の糸口も見えないまま,さらに第2,第3の殺人事件に発展し,しかも犠牲者はなぜかマッケンジーちゃんの知り合いは友人たちばかり。そして,彼女の身の回りにも不思議な現象が起こり始め,次の犠牲者を予告していくのだった・・・という感じかな。


 犯人は最後の方で明かされますが,かなり無理矢理な感じです。なぜマッケンジーちゃんの周囲の人間が狙われるのかという謎解きに,彼女の母親の過去が絡んでいて・・・という真相が明かされるのですが,それであの高校生たちを狙うというのはちょっとないよなぁ。それに,こいつが犯人だとしても不死身過ぎるよ。あれでもまだ生きているんだもんなぁ。別にこの犯人が悪霊だろうと悪魔だろうとあの世から蘇った殺人鬼だろうとどうでもいいんだから,こいつが何なのかは明らかにすべきだったと思うよ。

 おまけに,犯人の父親が「○○が蘇り,私も殺される」みたいなことを言うんだけど,それまで死んでたんでしょうか,それとも生きていたんでしょうか。このあたりの説明は一切なし。しかも,「現場に大量の血液は残されているが死体がない」のはなぜ,どうやって死体をあそこに運んだの,というあたりも全く説明なし。

 説明なしといえば,アメリカ版コックリさんでナンバープレートの番号を予告するとか,恋占いのおもちゃに不吉な言葉が出るとか,ちょっとオカルティックなシーンがあるのですが,これと犯人との関係も不明。色々と小道具を出したはいいけれど,それを最後に回収し切れていないというか,そういう小道具を使ったことを忘れてしまったんでしょうか。


 それにしても,この事件で犠牲になるのは高校生とかそのくらいの年齢の男女ばかりです。一番最初に殺されるのは,いかにも「映画が始まって5分くらいで殺されるんだろうな」という馬鹿兄ちゃんと馬鹿姉ちゃんなんでいいのですが,それ以外は殺される理由が無理矢理なんでちょっと可哀想でしたね。

 それにしても,このヘラ・バーガーのテレビコマーシャルがセンス最悪。こんなコマーシャルを見て客が入るかよ,というセンスの悪さと,例の「メガ○野○牛丼」の動画を思わせる汚らしさなんですよ。ところが,そのコマーシャルを見ているマッケンジーちゃんパパが「私,このコマーシャルが好きなんだよ」と言うんだよ。しかも,マスコットのホーニーがこれまた凶悪顔なんですね。ところがこのヘラ・バーガーもホーニーも大人気というんですから,アメリカ人,おかしいです。質より量,味より量,なんでしょうか。


 ちなみに,猟奇的連続殺人物ですがスプラッターとしてはマイルドですし,怖くもありません。エロくもなければ,グロもあっさり目です。また,この手の映画に必須の無駄色気シーンもありません。

 ううむ,困ったな。これ以上書くことがなくなっちゃいました。

(2008/04/09)

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