《リリス The Thirsting》 (2006年,アメリカ)


 私は映画は基本的にネットレンタルで借りて見ています。で,夜にワインでも飲みながら,「次は何か見ようかな?」とレンタルショップのカタログなんぞを斜め読みしては,とりあえず面白いそうなものをよく確かめずにクリックしたりするわけです。そして数日後,DVD2枚が入った封筒がアパートの郵便受けに届くのですが,時々,何でこんなものを借りたんだろう? というのが郵送されてきたりするんですね。こういうレンタルサイトでは,似たような傾向の映画を「オススメ」してくれるため,タイトルとジャケット写真だけ見て「なんとなく」選んじゃうんですね。で,そういうのに限って,とてつもなく詰まらないクズ映画だったりするんですよ・・・かなりの確率で。

 というわけで,この《リリス》も語るも無残なクズ映画でございました。しかも配給会社はわれらがアルバトロスでございます。あ〜あ,最低限,アルバトロスかどうかを確認してからクリックすべきだったよ。

 この映画はこれまでこのコーナーで紹介してきた「最底辺レベル・大学の映画同好会自主制作より下レベル」のより抜きクズ映画よりは幾分ましな作りですが,それでも褒めるところは全くありません。登場人物の少なさ,ロッジと森の中と教会の内部を右往左往するだけという移動範囲の狭さ,意味ありげで実は意味が全くなかったフラッシュバック・シーン,わけのわからないストーリーと状況設定・・・と,クズ映画に必要な要素はすべて揃っています。

 しかも、クズ・オカルト系ホラー映画に必須の要素としての「エロ」はそこそこあります。登場する女子学生5人とちょっときつめ美人のシスター全員がオッパイを披露なさってくれます。二人は見事な巨乳さんです。ちょっぴりレズシーンもあります。ちょっぴりSMシーンもあります。じゃあ,エロ目的の映画か,というとそうでもなく,「ちょいエロ」,「微エロ」,「微妙エロ」程度です。まぁ,そこら辺は中途半端ですね。

 それと,DVDジャケットのようなシーンは映画の中にはありません。


 一応,映画の中身を説明。

 登場する5人組はどうやら,カトリック系の大学(?)のバレーボール部員。なぜかわからないけれど,大学が所有する山中の合宿所(?)で合宿中のようでして,シスターが彼女たちの監視というか,生活指導をしているみたいです。そして,神父様(?)が彼女たちに「異教徒の女神について調べ,聖母マリアとの違いについてまとめよ」という課題を与えられ,一人の学生は女神リリスをテーマに選びます。どうやら「すべての淫靡なる母」なんて別名を持つ女神で,召喚した者に性的なパワーを与えてくれる,という言い伝えがあるんだと。

 そしたら,リリスについて書いてある古い本の中に,リリスを召還する儀式が解説されていて,それって面白くない? というノリでロウソクなどの必要なものをそろえ,リリスを呼び出そうとするのです。で,召還するには裸になる必要がある,なんて書いてあったもんだから,皆様のオッパイシーンになります(ちなみに,裸になると言っているのにパンツは穿いたままでございます)。ところがそこに,一人の学生のボーイフレンドが入り込んでしまったもんだから,邪魔されて儀式は途中で終わっちゃいます。ところがその夜から,彼女たちはエッチ系な悪夢を見てはリリスにとりつかれ,一人,また一人と命を奪われていき・・・ってなナイスな映画でございます。


 ストーリーを一応まとめましたが,肝腎の映画はこれよりグダグダした展開で,おまけにテンポが悪く,何がどうなっているのか非常にわかりにくいです。儀式のときに「自分の性的願望」を紙に書くんですが,どうやらその願望が夢の中で実現し,その末に死んじゃう,という設定のようです。しかも,その紙に書かれた願望と,悪夢(かどうかがよくわからない)の中で彼女たちが遭遇する出来事の関連性が,いまいちわかりにくいです。

 おまけに,そのリリス召還儀式に参加していないシスターまでエッチな夢を見ちゃって,形のよいオッパイを見せてくれます。この女優さんがこの映画に登場する6人の中で一番美人なんで,ちょっと得した気分にさせてくれます。


 好奇心で悪魔を呼び出してみたら,逆にそれに殺されてしまう,という珍しくありませんし,設定としては悪くないので,もうちょっと丁寧に作れば,そこそこのホラー映画にはなったかもしれません。
 例えば,5人が死ぬシーン,ちょっと急ぎすぎです。一人ずつゆっくり犠牲になり,残った人間がパニックになりながらも古文書かなんかを引っ張り出し,リリスに対抗する手段を探していく,なんて設定にすべきだったような気がしますね。

 それと,前後の脈絡なく始まるバレーボールの練習シーンがナイスです。何しろ5人組のうちの一人が行方不明なもんだから4人でコートを挟んでの練習です。オイオイ,ビーチバレーと間違ってないか,というツッコミが入るところですが,何しろこのお姉さんたちは臍出し姿ですから,もろにビーチバレーでございます。バレーボールについての基本的な知識が欠けているような気がします。

 どうやらシスターには幼少時代のトラウマがあるらしく,それが何度もフラッシュバックします。もしかしたら,それがリリスに対抗する手がかりになるのか,なんて思っていたら,全然無関係でした。というか,このシスターの過去って,この映画には全く無関係でした。


 もしかしたら,全体のストーリーを考えないで撮影に入り,監督が「俺さ,こんなシーンが撮りたいんだよね」っていいながら,5人のオッパイシーンとか,シスターの過去のシーンとか,SMっぽいシーンとかをまず撮影し,後で適当につなげただけなんじゃないだろうか。で,「この,シスターの過去の回想シーン,使い道がねえな。でも,なんとなく芸術っぽいじゃん」ってな理由で,同じ画像をさも曰くありげに何度も登場させた,というのが真相でしょう・・・多分。

 というような私の紹介文を読んで,もしかしたら面白いかも,なんて思っていらっしゃる物好きな方がいらっしゃるかもしれませんが,現物の映画は私の解説文よりはるかにひどいです。それがわかっていて,なおかつ地雷原に足を踏み入れる蛮勇をお持ちの方だけ,この映画をご鑑賞ください。でも,見ると絶対に後悔します。

(2008/11/18)

Top Page