《ファイブ・ガールズ 呪われた制服》★★ (2006年,カナダ)


 この映画監督,一体どういう映画を撮りたかったんでしょうか。何を描きたくてこの映画を撮ったんでしょうか。そのあたりが全く伝わってきません。やたらと伏線を張りまくっていますが全然それが生きていないし,オカルトっぽい雰囲気なのに内容は聖書(?)の記述に全面的に寄りかかっているし,5人の女子高生はそれぞれ特殊能力を持っているという設定なのに,全く生かされていないし,神父さんの役割もよくわからないし,お色気シーンはあるけど大したことないし・・・というわけで,箸にも棒にもかからないクズ映画でございました。カナダ人,何を考えているんだか,全くわかりません。

 いずれにしても,タイトルとDVDジャケットに騙されて学園美少女オカルトホラー映画かと思って借りるとえらい目に遭います。学園美少女オカルトホラー映画が好きな人(・・・っているのか?)は絶対に見ないほうがいいです。


 というわけですが,見た映画は(なるべく必ず)感想を書く,と決めてしまったので,まずはストーリーから。

 全寮制のカトリック系の学校,正マルコ女学院にアレックスという女の子が父親に連れて来られるシーンから始まります。どうやら,父親から厄介払いされた模様です。この学校は昔ある事件が起きてから閉鎖され,最近再開されたばかりらしいです。そこには彼女の他に4人の女子(いずれも問題児らしいです),そしてヒステリックなほど厳格な女性校長先生,そして神父様がいるだけ。そして,5人の生徒はそれぞれ,特殊能力(超能力)を持っていることが明かされます。

 校長と神父は彼女たちに,ここから一歩も出てはいけないこと,外部との連絡を取ってはいけないこと,3階は閉鎖されているのでそこに行ってはいけないことを告げられます。

 そして,アレックスの目に亡霊の姿が見えます。どうやら,学院が一時閉鎖されるきっかけとなった事件の犠牲者の女性とらしいです。そして,実は校長は彼女の姉で,5人の処女の命と引き替えに,自分の妹を帰してくれるように悪魔に祈りを捧げていたのです。果たしてアレックスたちは無事に外に出られるでしょうか,ってなお話でございます。


 と,ここまでわかると,次はどういう展開が考えられるでしょうか。普通なら,校長が悪魔儀式の末に悪魔を呼び出して少女たちの命をねらい,それに対して5人が協力しあって超能力を駆使し,ついに悪魔と校長を倒す,なんてストーリーを考えますよね。ところが,そっちの方には全然行かないんですよ。

 なぜかというと,「5人の少女は超能力を持っている」と説明されているのに,肝心の超能力の内容が説明されていないからです。確かに,一人は「傷に手をかざすと傷が治る」という能力を持っているし,一人はタロットカードで未来を予知できるし,主人公は手を触れずに物を動かせるみたいです。ここで「みたいです」と書いたのは,その様子がちょっとしか描かれていないので,本当にそういう解釈でいいのか自信がないからです。ちなみに,残りの二人についてはどういう能力なのか,全く不明です。

 確かにこの程度の超能力じゃ,悪魔君と対決するにはどう考えても力不足ですよね。それにしても,「タロットカードで未来を予知」程度で超能力といわれてもなぁ・・・。超能力はストーリーに無関係じゃないか,という気がしてきます。


 おまけに,校長先生が呼び出すのは「レギオン」です・・・って,この説明でレギオンが何かわからない人間には,何がどうなったのか,よくわかりません。何でもキリスト様が出会った悪魔らしいですが,何でここにこの悪魔君が関わってくるのか,非キリスト教信者としては何がなんだかわかりません。

 この「レギオン」を始め,この映画は最初から最後まで聖書(旧約と新訳)のお話を下敷きにしているんですが,映画監督はどうやら「聖書の話だから,みんな知ってるよね」というスタンスでどんどん話を進めていくので,聖書の知識がない人間はほとんど放置プレー状態です。要するに,基本ルールの部分の説明がないゲームを見せられている感じです。

 神父さんは貫禄十分ですが,こいつの役割もよくわかません。数年前の「少女失踪事件」の真相を知っているらしいのですが,それが映画のストーリーの上でほとんど生きていません。どうやらこの神父様とこの失踪少女は「できていた」らしいのですが,それもストーリー展開で生きていません。というか,この神父さん,いてもいなくてもよかったような気がしてなりません。

 5人の少女が集められたのは「5人の処女が必要」なためらしいのですが,どう見てもこの5人のうち3人は「そっちはとっくに卒業」としか見えないんですね。何しろ,実の親が厄介払いのために押し込んだのですから,とんでもない不良さん揃いとしか思えないんですよ。それでこの5人が処女といわれてもなぁ・・・。悪魔を信じていたから両親が厄介払いしたのだ,と説明されてもなぁ・・・。盲目の少女なんてどう見ても人畜無害な感じだし・・・。


 というわけで,聖書がらみでかわいい女の子が数人出ている映画が好き,というコアなファンにのみお勧めする映画でございました。それ以外の人には,単なる時間の無駄ですので,見ない方がよろしいかと・・・。

(2009/05/)

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