《愛の伝道師 ラブ・グル》 (2008年,アメリカ)


 金と手間をかけて作られたのに最悪な映画に贈られる栄えある(?)賞,それがラジー賞です。そしてこの作品は2008年の受賞作なのでございますよ。

 これまでラジー賞を受賞した作品は結構見ているので,当然この作品もレンタルで見てみましたが,実は最後まで見ていません。数回トライしたのですが、あまりの詰まらなさに途中で猛烈な眠気に襲われ,気がつくと寝ているんですよ。私にとってこの映画は強力な入眠剤として作用するようです。

 私は一応,どんなクズ映画でも最後まで見て感想を書くようにしていますが,最後まで見られなかった映画は三谷幸喜監督の《THE 有頂天ホテル》以来です。久し振りの敗北(?)宣言です。


 映画の内容はどうやら,自己啓発活動で有名なグル・ピトカっていう宗教家(?)がいて,その分野での世界一の座を狙っていて,アイスホッケーのチームを自己啓発で優勝させようとするコメディー映画らしいのですが,これがムチャクチャ面白くないのです。笑いの質が低すぎるためなのですが、作り手側は「観客なんてこの程度のギャグで笑うんだよね」と見下して作っているんじゃないかと思いますね。

 会話の9割くらいが下ネタがらみなんですが,レベルが低すぎて笑えないんですね。要するに,幼稚園児を「ウンチ,オシッコ」ネタで笑わそうとしているような笑いのレベルなので、下劣な感じでスマートさのかけらもありません。また,かといって聞いている方が「オイオイ,大丈夫かよ」と心配になるような破壊力のある危ないギャグもありません。ただただひたすら,低レベルのお寒い下ネタをグダグダと垂れ流すだけです。


 そして,そういうギャグの部分に力を入れ過ぎたらしく,肝心のストーリーは説明不足のまま進んでいくし,人間関係も説明不十分だし,一体何をどうしたいのかと言いたくなります。これまで私は,最底辺レベルのホラー映画やあまりの詰まらなさに物悲しさを覚えるミステリー映画などを見てきました。それらの多くは低予算のために必要なシーンを撮影できずにストーリーが破綻してしまったものや,スプラッターシーンの撮影に力を入れ過ぎて他はどうでもよくなってしまったものなどがありました。しかしそれでも、我慢してエンドロールまで見続けることができたのは,「この破綻したストーリーをどうするつもりなんだろう?」とかえって気になってつい見てしまったとか,「ここまでひどいとは思わなかったけど,作り手のゾンビへの愛が感じられるから最後まで見やろうじゃないか」と作り手の心意気を感じて見てしまったとか,そういう「何か」があったからです。

 しかし,この映画にはそういう「何か」はありません。今までにないパワフルなギャグ映画を作りたかったわけでもなさそうだし,下ネタの中に強烈なメッセージを込めているわけでもないし,笑いでしか描けない感動を狙ったわけでもなさそうです。要するにこの映画監督は映画を撮影したかっただけで,映画の内容はどうでもよかったんじゃないかという気がします。だから,観客に何も伝わってこないんでしょうね。要するに、映画の作り手としての志が低すぎるか、そもそも志なんてなかったんでしょう。


 という超しょうもない映画でございますが,唯一のとりえはジェシカ・アルバがいつものようにすごく可愛いことです。インドのマサラ・ムービーを思わせる歌って踊るシーンがあるのですが,まさにアルバの魅力全開です。見所はこれだけじゃないでしょうか。

 というわけで,下品な下ネタが大好きで,グダグダした映画も大好きという人、そしてジェシカ・アルバさえでていればどんな映画でもいい、という人にだけお勧めいたします。

(2009/05/05)

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