《ゾンビ 2009》 (2007年,イタリア)


 これってどのくらいすごいクズ映画なんだろうか,ということを確認するために鑑賞。やはりクズはクズでした。メイクは結構凝っているんだけど,肝心の俳優さんは素人に毛が生えた程度だし,二人しかいない女優さんの一人はオバサン後期,ヒロイン役も美人というほどではないし,ストーリーはあってないようなものだし,見所が一つもありません。逆に言えば,ツッコミマニアにとってはこんなに嬉しい作品はありません。

 イタリア製作の映画みたいなんだけど,舞台はマレーシアみたいで意味がわかりません。おまけに,これはどうやら第2作目らしく,第1作目はヒロインのシャロンちゃんが最初にゾンビに遭遇した様子を描いたものらしいですが,第1作目は見なくても大丈夫です。彼女の回想場面でしつこいほど繰り返して第1作目の場面と思われる映像が流れるからです。ちなみに第1作目は日本未公開でDVDにもなっていないようですが,ま,無理して探してまでも見てみたいという作品でないことは確かでしょう。


 映画はいきなり,海上を漂流する女性をヘリコプターで救助するシーンから始まります。助けられたのはこの映画のヒロイン,シャロンちゃん。タイラー社の社員にして生物学者です。彼女が乗ったサルベージ船が海図に存在しない島に座礁し,そこで「動く死体」に襲われ,彼女だけが生き残って海を漂流していたのです。会社に戻ったシャロンちゃんはその様子を報告しますが,もちろん相手にされません。君は病気だ,早く治せ,ってなことを言われて体よくクビにされます。

 そして6ヵ月後,とある寺院で尼僧として生活していたシャロンちゃんの前にタイラー社のお偉方が現れ,「君の言ったことは真実だった。その後,我々も調査し,その動く死体を見つけ,島の研究施設に持ち帰った。しかし,その研究施設からの連絡が突然途絶えた。そこで何が起きているかは黄身しか知らない。特殊部隊と一緒にその島を調査してくれないか」と持ち出されます。ゾンビに襲われる悪夢に悩まされているシャロンちゃんは,その悪夢を断ち切るために,ゾンビと対決することにし,潜水艦に乗り込んで島に向かうのでありました・・・ってな素敵な映画でございます。


 それからどうなるかって? 「10人ほどの特殊部隊+シャロンちゃん」がゾンビに襲われては反撃しながら逃げ,また襲われては反撃しては逃げ・・・というのをひたすら繰り返すだけです。特殊部隊の一人が「相手は死体です。死体をどうやって殺すんですか!」という至極真っ当な質問をしますが,彼の危惧どおり,銃で撃っても撃っても死なない感じです。一番効果がありそうなのは火炎放射器じゃん,と誰しも気がつきますが,なぜか特殊部隊の誰も気がつきません。火炎放射器,持っていたよね,君たちは。

 しかもその特殊部隊の面々が,これまた頼りなさそうです。演技がやたらと下手です。だから,戦闘場面になっても緊張感が皆無です。というか,こいつら,本当に銃が撃てるのか,撃っても仲間に当たるだけじゃないか,と心配になってくるくらいです。

 それに輪をかけて演技が下手なのがゾンビ君たち。メイクはかなり凝っているんだけど,ゾンビ君たちの動作はちっともゾンビらしくないのです。要するに,やる気というものを一切感じさせません。こいつら,本当の俳優さんなんでしょうか,それともそこらを歩いている一般人を捕まえてメイクしただけじゃないでしょうか。

 そういえば,最後の爆破シーンは全然必然性がないけど迫力だけはあります。でもなんだか,別映画の爆破シーンだけ持ってきたんじゃないでしょうか。徹底して金をかけていないこの映画で,このシーンだけが派手なんで浮いているんですね。

 それにしても,この研究施設が全て爆破するんですから,シャロンちゃんがいつの間にか電光石火の早業で研究施設のあちこちに爆弾を仕掛けたとしか思えません。すごいぞ,シャロンちゃん。


 こういうしょうもない映画ですが,最後の最後で明かされる「ゾンビたちを操っている黒幕」の正体にはビックリするぞ。何じゃ,こりゃ。何者なんだ? しかも,最後にシャロンちゃんが助かったかどうかははっきり映されません・・・というか,そこで画面はストップします。こいつはもしかしたら,第3作目に続く,というやつか?

 そう思ってエンドロールを見ていたら,いきなり爺さんが登場して「さよなら,さよなら」だぞ。しかも「ブルーの監督,安らかに」という文字がかぶさってきます。どうやら,この作品を撮影したブルーノ・マッティさんの遺作がこの作品なんだろか。

 ちなみに,「こんな映画,どっかで見てるよ。あれって何だっけ?」と記憶をたどったら,『エイリアン2』のストーリーと全く同じでした。

(2009/06/12)

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