えーと,一言でいえば「エイリアン(の格好をしていない)エイリアンしか登場しないエイリアン映画」,あるいは「エイリアン映画の皮を被ったアクション映画」ってな感じです。すごくしょぼいです。アイディア自体も昔からある映画の焼き直しだし,エイリアンの皆様の基地(?)もどっかの工場みたいです。どうやら,転送装置のCGと車何台かを燃やしちゃったところで資金が尽きたんじゃないでしょうか。
ちなみに,ヒーロー役はB級アクション映画ではビッグネームのマーク・ダマスカス。確か,フィリピン系の俳優さんだったはずですね。そして,これまたB級映画ではよく顔を見るビリー・ゼインが登場しますが,重要な役の割には全く活躍してません。唯一の救いは,ヒロイン役の女の子がすごい美少女なことと,敵役のお姉さんがそれに輪をかけて綺麗なことです。この二人を見ていれば何とか時間を潰せる映画ですね。
地球から遠く離れた星にエイリアンさんたちが住んでいました。彼らは海から生まれた生物が進化したものですが,その星の海が何らかの原因で干からびてしまい,住めなくなってしまいました。そこで,その星の支配者たちは「生き物が住んでなくて海のある惑星を探そう」と決め,様々な星を探査しましたが,なかなか好都合の星は見つかりません。そうこうしているうちに,支配者たちに反感を持つ反乱軍が地球に目を付けちゃったのです。「なんか生き物が住んでるけど,こいつらを殺して俺たちが住めば万事オッケーじゃん」と考え,地球に先発隊を送って基地を作り,自分たちの星と地球を結ぶ転送装置(ポータルゲート)を地球に作って退去して移動して乗っ取ろうぜ,って考えたんですね。
一方,その星の支配者たちは反乱軍の動きを察知して凄腕の工作員,ライカー(マーク・ダマスカス)を単身送り込み,反乱軍の計画を阻止しようとしたのでした。さあ,果たしてライカーは反乱軍の悪巧みを阻止できるでしょうか・・・ってな映画でございます。
とにかく,つっこめない部分がほとんどない,というくらい杜撰な映画です。基本的な設定からして無理矢理で,理解に苦しみます・・・というか,理解を拒絶しています。
その遠くにある星の支配者たちが「生き物のいない星に移住しようぜ」と考えたのは立派だと思いますが,だからといって,「生物のいる星に移住してもいいんじゃないの?」という動きを阻止しようとする意味が分かりません。たとえ地球人が滅びようと,それは彼らにとっては「知ったこっちゃない」ことですから,普通の感覚なら「そんなに地球に移住したいんならどうぞご自由に。だけど,トラブルが起きてもわしらは知らんよ」と勝手にさせるんじゃないでしょうか。だって,地球人が滅びても,とりあえずエイリアン側に不利益はないわけですからね。むしろ,何でライカーを派遣してまで阻止しようとするんでしょうか。
それと,百歩譲って「エイリアン側には地球人の生命を守る理由があった」としても,それならそれで,なぜライカー君一人だけ派遣するの? もちろん,ライカーは凄腕かもしれないけど,それなら,もっと大量に派遣して,反乱軍基地を一挙に潰せばいいだけでは?
一番最初,反乱軍側の女性戦士アイシス(アメリア・クック)がトラックを空中から襲うシーンから始まります。黒髪でスタイルがよくすごみのある美人です。このアクションシーンはすごく格好いいです。この最初のシーンだけ見ると,「この映画,もしかしたらすごく面白いんじゃないか」と誤解しちゃいますね。
なぜエイリアンがわざわざトラックを奪ったかというと,ポータルゲートを造るのに水力発電所の設備が最適らしく,その電力会社の極秘装置(?)を奪う目的があったからです。原子力発電所でなく水力発電所というところが脱力ものです。エイリアンたちははるか彼方の星からやって来るくらいの科学力を持っているのですから,何も水力発電所を襲わなくてもいいような気がするし,水力発電所の部品がなくても「ポータルゲート」は作れるような気がしますが,そこに気がつかないフリをしてあげるのが大人ってものです。
ちなみに,襲われるトラックも「機密設備を運ぶ」と言っておきながら,そこらを走っているようなトラックだったりします。
で,トラックを奪った反乱軍エイリアンご一行様をライカーが追いかけます。トラックと乗用車が走りながら銃撃戦です。ほぼ至近距離からバカスカ打ちまくりますが,なぜか,どちらの撃った弾も相手に当たりません。お互い,もうちょっと射撃の練習をして下さい。しょうがないんで,反乱軍側の一人がライカーの車に飛び乗り,殴り合いを始めます。でも決着が付かないんで,いきなりアイシスちゃんはバズーカみたいなのを取りだしてライカーの車を吹き飛ばします。自分の部下もろともふっとばすアイシスちゃんがナイスです。
というような次第で,エイリアン映画のはずなのに,武器はせいぜいライフルか拳銃くらいで,あとは「ダカスコスといえばマーシャルアーツ」ですから,格闘技の連続です。どうやら,マーシャルアーツは宇宙共通の格闘技として普及している模様です。
ちなみに,ダマスカスさん,ちょっと痩せてないですか。この映画で見るとちょっと頬のあたりがこけ過ぎで,「ちょっと老けたなぁ」という様に見えます。もちろん,私の目の錯覚かもしれません。
B級アクション映画と言えば欠かせないのがシャワーシーンでございます。この映画でもアイシスちゃんが後ろ姿だけでもヌードになってくれます。スタイル,ナイス! って思っていたらいきなりジュリーちゃん(ライカーが助けたことから行動をともにするレストランのウェイトレス。すごく可愛い美少女ちゃんです)のシャワーシーンになっちゃいます。でも,ご安心。もうちょっとでオッパイじゃん,というところで別シーンになっちゃいます。
あとは何かあったかなぁ? 全然憶えていないんで,これ以上書けません。
(2010/05/03)