《レズビアン・ヴァンパイア・キラーズ》★★(2008年,イギリス)


 タイトルをみただけでアホ映画,B級映画とわかります。観る前から「このタイトルで面白いわけがないよな。でも他に観るのもないし,観てやっか」というスタンスでDVDをプレーヤーにセットする映画です。何しろ,レズビアンでヴァンパイアでキラーズですぜ。中学生男子の頭の中の妄想をそのまま並べたようなタイトルでございますよ。工夫も何もないところが逆に潔く感じられます。

 内容はゆる〜い感じのコミカル・ホラーです。下ネタ系の笑い(チンチン,オッパイ,ウンコ・・・)にヴァンパイア映画のパロディーをちょっぴり加え,さらに綺麗なおねーさんと微エロを混ぜるとこの映画になります。ちょっとセンスのいい音楽の選択も結構笑わせてくれます。

 というわけで,タイトルを見て期待値を思いっきり下げてから観ると,結構それなりに楽しめるかもしれないけど・・・という感じですね。


 まず舞台は13〜14世紀頃のイングランドの田舎の村。男を憎み女性を愛するヴァンパイアの女王カーミラはこの村の男を殺し,若い娘の血を吸ってレズビアン・ヴァンパイアに変身させていた。そこに十字軍遠征から帰ってきたのが領主のマクラーレン。彼は,妻のエヴァがカーミラの毒牙にかかってレズビアンになったことを知り,ヴァンパイアを次々に倒し,残すはカーミラのみとなった。そして,マクラーレンは秘法で作られた剣を入手し,カーミラを倒すが,死の間際のカーミラは「この村の娘は18歳の誕生日にレズビアン・ヴァンパイアに変身するだろう」という呪いをかけて絶命する。

 そして舞台は21世紀のイギリス。生真面目だけが取り柄のジミーは恋人から別れ話を持ち出されて呆然とし,その友人のフレッチはピエロのバイト中に子供に殴りかかったためにクビになったばかりだった。金もない二人は国内のハイキング旅行をすることにして,偶然,クラグウィッチという田舎村を行き先に決める。

 村に到着した二人はパブから出てきた若い女性4人組がバンに乗り込むのを見て,ここは美女のいる村だと俄然やる気になり,パブに入るが,男しかいない店内はなにやら不穏な雰囲気だった。しかし,店主は酒をおごってくれるし,しかも無料で泊めてくれる森の中のコテージまで紹介してくれるではないか。

 一方,姉ちゃん4人組が乗ったバンは森の中で立ち往生。そこにジミーとフレッチが追いつき,一緒にコテージに向かうことになる。そして「女とベッドイン」しか頭にないフレッチは姉ちゃん3人と踊りまくってもう有頂天。一方のジミーにも,4人の一人で唯一おとなしいメガネっ娘のロッテがなにやら好意を寄せている模様。

 ところがその村は,カーミラが呪いをかけた村であり,4人の姉ちゃんとジミーとフレッチはレズビアン・ヴァンパイアへの生け贄だったのだ・・・という映画でございます。


 こんな感じで,ヴァンパイア映画,ホラー映画の定石をそのままなぞったように展開していきます。意外性もなければ独創性もひねりもありません。何というか,教科書的な展開が続きます。「ここで多分,襲ってくるんだよね」と思うところでは襲ってくるし,「ここではヴァンパイアでなくて,フレッチが顔を出すかな?」と思うところではその通りになります。律儀というか,生真面目です。

 そして,「ヴァンパイアは招かれなければ室内に入れない」とか,「ヴァンパイアは鏡に映らない」とか,そういうヴァンパイア映画のお約束もきちんと守っています。そのくせ,「ヴァンパイアは木の杭で心臓を一突きしないと死なない」というお約束は忘れちゃって,鍋で殴ると首がちょん切れて倒せたりします。それどころか,脳天に斧を打ち込んで倒すシーンまであり,このあたりはゾンビ映画みたいです。でも,斧を打ち込まれたヴァンパイアがそのままの状態で大暴れするシーンは面白かったから許します。


 ちなみに,ヒロインのメガネっ娘ロッテちゃん(途中からメガネを外しちゃうけど),かなり強く,戦闘能力が高いです。回し蹴りでヴァンパイアの首を吹っ飛ばしたりします。《ディセント》にも出演していた人で,すごい美人じゃないけど表情が可愛いから許します。ちなみに,「メガネっ娘の時はダサダサだったけど,メガネを外したらすごい美人」というお決まりのパターンの逆で,この女優さんはメガネっ娘の方が可愛いです。

 その他の3人のお姉ちゃんも女王カーミラもその他の女性たちも,いずれもレベルの高い美人&セクシー系を揃えていて,眼福でございます。とはいっても,エロい要素はほとんどなく,オッパイシーンも1カ所だけで,レズシーンも「オッパイもみもみ」だけですから,家族と一緒に見ていても雰囲気が気まずくなるようなことはありません。映画タイトルで「ああいうシーンとかこういうシーンとかあるんだよね」と騙されて観た人,ご愁傷様でございます。最後まで品行方正なヴァンパイア映画です。


 そうそう,ヴァンパイアに十字架を突きつけて倒そうとする神父様を助けるために,フレッチがヴァンパイアの両方のオッパイをむんずと掴んで押さえつけるシーンがあるんだけど,ヴァンパイアが溶けてなくなり,フレッチの手にはオッパイを膨らましていた2個のシリコンバッグだけ残される,というシーンは文句なしに笑えます。

 面白いと言えば,最後のカーミラ復活のシーンでのヴァンパイアさんたちとカーミラさんの髪型が面白いです。特にカーミラさんの髪型はまるでステルス戦闘機で,一見の価値があります。

 あと,何があったか思い出せません。ま,そういう印象薄い映画でした。

(2012/03/09)

Top Page