《メガ・ピラニア "Mega Piranha"★★(2010年,アメリカ)


 なにがスゴいってあなた、鯨よりでかいピラニアが空を飛ぶんですぜ。巨大ピラニアが群がって原子力潜水艦を食っちゃうんですぜ。大昔のテレビコマーシャルに「大きいことはいいことだ」ってのがありましたが、ここまでデカいと遠近感が狂っちゃいます。それだけでもスゴいのに、飛んできたピラニアがビルに突っ込んでビルは爆発炎上しちゃうんですぜ。もう何が何だかわかりません。とにかく、スゴいモノ見ちゃったなぁ・・・と。

 そして、ヒロイン役が往年のアイドル歌手ティファニーちゃんなんですが、これがまた何ともスゴいことに・・・。顔立ちは昔の面影を残していますが、ウエスト周りがピラニアに負けず劣らず巨大化しております。この人、2010年頃からこの手の「巨大生物パニック映画」に幾つか出演しているんですが、ウエスト周りの巨大化が抜擢の理由なんでしょうか。「Before & After」の画像を載せるのも憚られるほどの大変身です。いやはや、スゴいモノ見ちゃったなぁ・・・。

 そして映画の内容がこれまたスゴい。ツッコミどころ満載どころか、ツッコミを入れられないところが一つもないという潔さです。おまけに最後の巨大ピラニア退治の方法が何とも投げやりというか、これじゃ解決にならないだろう、という方法で放り投げちゃって、あとは主人公とヒロインのキスシーンで誤魔化しちゃうという力業を披露しています。


 舞台は反米感情が高まるベネズエラのオリノコ川。最初に「早く川で遊びましょうよ」というビキニ姉ちゃんとメタボ青年のカップルが登場してイチャイチャを始めます。案の定、30秒もしないうちにピラニアの群に襲われます。モンスターパニック映画の定石ってやつです。ピラニアはCGですが、これが何とも出来が悪いし、しかも画面が暗いため、何がどうなっているかよくわかりませんので「心の目で見る」技術が必要です。

 次いで、オリノコ川に浮かぶチャチなクルーザー。乗っているのは駐ベネズエラのアメリカ大使とベネズエラの外務大臣。クルーザーに乗り合わせた姉ちゃんたちは半分は乳丸出しです(・・・ただし、見せるほど立派な乳じゃないけど)。大使と大臣はなにやら話をしていますが、すると不意に船が揺れます。なんとピラニアさんたちが群をなして襲ってきて、クルーザーの船底に食いついているのです。船は沈没し、大使も大臣もオッパイ姉ちゃんたちもピラニアの胃袋に直行!

 ワシントンの合衆国国務長官は暗殺を疑い、特殊部隊の凄腕エージェント、ジェイソン・フィッチ(ポール・ローガン)を呼び出し、ベネズエラに向かって真相を探るように指示し、フィッチはベネズエラに向かいます。彼を待ち受けているのはベネズエラのディアス大佐ですが、ディアスはテロリストの仕業と考えて調査を始めています。


 その頃、ベネズエラで食料生産の研究をしているサラ・モンロー博士(ティファニー)とゴードン博士登場。彼らはピラニアを大きくして食用にする研究をしていましたが、大使と大臣が死亡した事故を知って現地に向かい、船の破片に付着した組織から彼らを襲ったのが実験施設から逃げ出した遺伝子組み替えピラニアであることを知ります。ちなみにこの時点ではティファニー扮するモンロー博士は「中年デブのおばちゃん科学者」にしか見えず、とてもこの映画のヒロインとは想像もつかないと思いますが、気にしないようにしましょう。

 そこにフィッチがベネズエラ空港に到着しますが、空港で待ちかまえていたモンロー博士が「これは実験で巨大化したピラニアによる事故だ。このピラニアはどんどん巨大化の速度が速まるため、24時間以内に手を打たないと大変なことになる」と告げます。

 フィッチはディアス大佐のオフィス(倉庫の片隅にしか見えませんが、気にしないようお願いします)でディアスと会い、例のピラニアの話を持ち出しますが、もちろん一笑に付されます。そして、アメリカ人大嫌いのディアスはフィッチに自由に行動しないように命令しますが、そんな脅しに屈するようなフィッチ君ではありません。すぐに脱走し、オリノコ川に向かいます。ここで川縁を歩くフィッチにデカいピラニアが宙を飛んで襲いかかってきます。フィッチ君、必死に反撃して何とか倒します。倒したピラニアを持ってディアス大佐の元に戻り、「ほら、これが証拠だ」と突きつけます。それを見たディアス大佐はフィッチを伴ってヘリに乗り込み、オリノコ川にミサイルを打ち込み、これで幕引きをはかります。


 しかし翌日、オリノコ川河畔の町はパニックになっています。川から車よりデカくなったピラニアが飛び上がり、人々を襲っているのです。そしてモンロー博士はピラニアが群を作ってオリノコ川の河口を目指していることを知ります。そして、河口に集結したところで爆撃すればいいとアドバイスし、フィッチはワシントンの長官にそれを進言。アメリカ海軍はベネズエラ沖に駆逐艦を配備し、フィッチからの「ピラニアが河口に集結!」の知らせを受けて猛爆撃を開始。

 これで一件落着かと思ったその時、駆逐艦をピラニアの群が襲ってきます。爆撃にも耐える強靱さを獲得し、あまつさえ、淡水魚のはずなのに海水中も泳げるように変化していたのです。そしてアメリカ海軍の駆逐艦は海の藻屑と消えます。それを目にしたフィッチはベネズエラ軍の縁を奪って飛び立ち、洋上基地に向かいます。


 巨大ピラニアの群は一路北を目指して泳ぎます。このままではフロリダが壊滅です。それだけは絶対に阻止しなければということで、国務長官は原子力潜水艦出動を決め、潜水艦からピラニアの群に核兵器が放たれます。しかしピラニアは核爆発をものともせず、逆に原子力潜水艦に食いつき、原潜は沈没します。1000メートルの水圧にも耐えるはずのチタン合金も食い破るピラニアの歯がスゴいです。もうこうなったら、合衆国を守るためにはフロリダ半島を吹き飛ばすしかありません。

 しかしここでフィッチ君が「奴らは仲間の血の臭いを嗅ぐと共食いを始める」様子を目撃したことを思い出し、長官に「共食い作戦」を進言します。そして、巨大水中銃(?)を手にしたフィッチ君(モンロー博士が手渡したピラニアが仲間を呼ぶ音を出す装置、というのも持っていたな)率いる海兵隊員が、鯨ほどにもデカくなったピアニアの群を待ちかまえて海中に潜み、そこにピラニア軍団が来ます。ピラニアの弱点である目をねらいますがなかなか傷つけられません。モンロー博士から「エラ蓋の内側が弱点よ」と連絡が入りますが、エラを閉じているので攻撃できません。

 フィッチは別の方法を考えようといったん海上に浮上しますが、海上で待ちかまえていたのはアメリカのヘリではなくディアス大佐のヘリでした。そうとも知らずにフィッチはヘリコプターに乗り込みますが、ディアス大佐が銃を突きつけています。フィッチ君、大ピ〜ンチ! でも、隙を見てディアス大佐御一行を倒し、モンロー博士がくれた「ピラニアを集める装置」をヘリに残して海に飛び降ります。そのヘリを戦艦級のサイズのピラニアが音に引きつけられてヘリをパクッとくわえます。


 海中のフィッチはヘリをくわえたピラニアを岩場に誘い込み、そこでヘリを爆破します。チタン合金より強固なピラニアでもさすがに口の中は弱点ですからこれにはたまりません。そして傷ついた仲間めがけてピラニア軍団が集まり、共食いが始まります。これでさすがのピラニアも全滅です。そして、無事に生還したフィッチとモンローは熱い口づけを交わすのでありました・・・ってなお話です。ここでせっかくムードが高まっている時に「えーと、ピラニアが共食いを始めるのはいいとしても、最後に一匹残るんじゃない」というツッコミをするのは野暮というものですね。

(2012/05/18)

Top Page