《超隕石 〜ファンタスティック・フォース〜》★★(2005年,アメリカ)


 また無駄な映画を見ちまったなぁ,でも,暇が潰せたからいいか,という程度のショボいSFパニック映画。よくあるタイプの「巨大隕石が地球直撃だ! 人類は存亡の危機に!」という映画なんですが,ここまで緊張感がないのも久しぶりです。あと1日半で地球滅亡というのに,グダグダと意味のない話し合いをしたり,「人を殺しちゃダメ」とか悩んだり,国家機密規模の施設なのに簡単に入れたりと,緊迫感がまるでありません。無理矢理100分映画にしていますが,話をまとめると15分で十分という感じです。

 こういう映画にちょっとヒットした《ファンタスティック・フォー》と間違えてもらおうという魂胆ミエミエのタイトルを付けたセンスは評価しておきましょう。

 それと,ヒロイン役のおばちゃんがまるっきり魅力がないところがスゴいです。目元,口元の小皺は直視するのも気の毒なくらいだし,眉間の小皺は深い渓谷を刻んでいます。きっといろんな苦労をしたんでしょうね。おまけに体型は「出るとこは出てない,凹むとこも凹んでいない」ときてます。温かい目で見てあげましょう。


 というわけで,ストーリーを紹介しながらツッコミを入れていきます。

 スイス,アフリカ,そしてカリフォルニアと世界のあちこちに小型隕石の落下による事故が続いています・・・が,最初のスイスの車直撃はちょっと派手ですが(・・・というか,1個だけ落下してきた隕石がピンポイントで車を直撃するのはお見事!),残りのアフリカのキリンとカリフォルニアのビキニ姉ちゃんに被害があったかどうかは不明です。とりあえず,世界に3個だけ隕石が落下するだけのオープニングです。


 舞台は変わって,アメリカのどっかにあるN.E.E.T.S.(ニーツ)という研究所。ここで,地球にぶつかりそうな小惑星の観測を行っている女性科学者テイラー博士(レイ・ドーン・チョン)とその助手は,リッケンバッハと名付けられた小惑星に異常が起きていることを察知します。これは以前から観測されていた小惑星で,月くらいの距離のところをかすめていくはずだったのに,エネルギー波がどーたらこーたらで,様子が変らしいです。そこで助手に画像分析させると,なんとリッケンバッハの後ろに巨大なもう一つの小惑星が隠れているということが判明します(一体どこに観測衛星があるんだよ,なんてツッコミは入れちゃダメだぞ)。こいつはなんと22時間後に地球を直撃し,地球は壊滅状態になると予想されるのです。人類存亡の危機です。

 テイラー博士役のチェンさん,アップで見ると目をそらしたくなるほど劣化しております。この女優さん,《コマンドー》では結構いい演技をしていた人なんですが,なんだか見るも無惨な感じです。最初に登場したとき,「まさかこの人がこの映画のヒロインってことはないよね。この人が最後まで出ずっぱりと言うことはないよね」と胸騒ぎがしますが,悪い予想というのは当たるものでございまして,この女優さんと最後までおつきあい願います。

 ちなみに,この助手君が使っているのはDellのゲーマー御用達ノートパソコン「Alienware」でございます。世界中のスパコンを動員してもわからない小惑星をDellのノートパソコンのシミュレーションが明らかにしたわけですね。ちなみにこの時点で,「この小惑星の映像,ゲームっぽくね? もしかしたら発泡スチロール製?」ということに気がつくと思いますが,とりあえず先を急ぎます。


 そこでテイラー博士は,"Safe Skies" という政府の小惑星監視センターに行きますが,「そんな小惑星,観測されてないね」と門前払い。しかし,所長さんは「もしも本当ならヤバいよね」と考え直し,直属の上司であるアメリカ軍のダットン大将に相談。

 実はこの政府機関では,多額の税金を掛けてレーザー兵器の「ビッグガン」を開発していたのです。もちろん,地球に襲来する小惑星を破壊するためなんですが,どうやら途中で研究は失敗に終わり,ダットン大将はその事実を隠蔽していたんですね。

 そうとも知らないテイラー博士は,ダットン大将に「ビッグガンがあるじゃないの?」と詰め寄りますが,もちろん体よく追い返されます。

 そこでテイラーは,かつてビッグガン計画の中心人物で,その後,軍を退役したドノヴァン少佐(アントニオ・サバト・Jr)を探します。公式の記録に残っていない秘密プロジェクトの中心人物ですから,データなんて残っていないのですが,なぜか簡単にネット検索で発見! 現住所までわかっちゃいます。極秘情報まで探せるのがインターネットです。


 テイラーは車を走らせてドノヴァン宅を訪問しますが,ダットン大将は部下に尾行を命じていました。真っ暗な田舎道で,後ろから同じ車がピッタリ着いていれば,誰しも「尾行されているわ!」と気がつくはずですが,小惑星に夢中のテイラーは気が付きません。せっかく会えたドノヴァンも,彼女に尾行が付いているのに気が付き,追い返します。

 仕方なくテイラーはニーツに戻りますが,そこにドノヴァンから「尾行されないようにここに来るように」と連絡が入ります。そこに助手と行くとドノヴァンとその部下が待っていて,「実はビッグガンは俺が使えないようにしただけで,本当は使えるんだ。しかし,使うチャンスは一度しかない」と明かされ,4人はビッグガンのある軍の秘密研究所に侵入することにします。

 相手は軍で,武装した軍人が守っているのですから,ドノヴァンは銃を持って行こうとしますが,テイラーはそれに反対。武器を持つことにも反対です。これから数時間で全人類が滅亡するかどうかって時に,「銃で人を傷つけるなんて許せないわ」というテイラー博士,おかしくないっすか?


 その秘密施設は2交代で20人の軍人が守っていますが,その交代の隙を狙って侵入を試みます。兵士を乗せたバスのタイヤを撃ってパンクさせ,時間稼ぎをするという古典的な方法を試みますが,兵士たちもノッタリノッタリとタイヤ交換してくれます。そして,施設の入り口にある検問所でもクサいお芝居をして侵入に成功。

 4人は施設内に入りますが,カードキーがどうしても反応せず,開きません。何度やってもダメです。すると,テイラー博士の助手がさっとシャツの裾でカードを拭きます。すると,呆気なく扉が開いちゃいます。昔のファミコンの「カセットを息で吹くといいんだぜ」という裏技を思い出す名シーンです。

 そしてビッグガンの作動スイッチを入れますが,なかなか出力が上がりません。あと10分で小惑星が地球直撃です。「銃は携帯しないで!」なんてことでモタモタするからいけないんです。


 一方,施設のゲートにパンク修理の終わったバスと,施設に不法侵入者が入ったという連絡を受けたダットン大将が到着。チャチなゲートですから壊して入ればいいのに,なぜか右往左往して入ろうとしません。どうやら,「映画の時間稼ぎ」に協力している模様です。

 で,なんだかんだあってダットン大将ご一行は施設に入り,施設の電源を切ります。ビッグガンも停止します。そこでダットン大将は操作室に入ろうとしますが,電気錠ですから扉が開きません。電気を止めちゃったからです。オイオイ,ドリフのコントかよ! 仕方ないんで,ダットン大将は「電気を入れろ」と命令します。すると,止まっていたはずのビッグガンのエネルギー・チャージが続いていて,あと10秒で発射できます。タイムリミットも10秒です。

 そこにダットン大将が入ってきて銃を突きつけます。残り1秒なのに万事休すでございます。すると,ダットン大将にアメリカ大統領から電話がかかってきます。大統領からの小惑星破壊命令です。携帯電話が圏外でなくて人類は救われました。でも,タイムリミットが既に過ぎています。オイオイ,どうするんだよ。


 すると,テイラー博士の助手が「小惑星の軌道を変えることはできないが,粉々に砕けばいいんじゃん。そんなの,簡単すよ」と説明し,ビッグガンをスイッチオン! 軌道を変えるより破壊する方が簡単って,物理的に不可能な気がしますが,とりあえず先を急ぎます。

 ビッグガンからレーザー光線が発射され,小惑星に命中。すると,レーザーが発射されているというのに,なぜかエネルギー・チャージもどんどん上昇し,マックスに達します。エネルギーを放出しているのに充電量が上がるって不可能な気がしますが,とりあえず先を急ぎます。最大出力のレーザー光線を浴びて小惑星はめでたく爆発し,粉々になります。地球は救われました。

 そして数ヶ月後,テイラーとドノヴァンはめでたく結婚と相成るのでございました。イケメンのドノヴァン君,何でテイラーを選んじゃうかなぁ? どうやら,「魅力のない熟女が好き」というニッチな好みのようです。蓼食う虫ってのは本当にいるんですね。


 というわけで,Dellのノートパソコンの高機能ぶりしか印象に残らない映画でした。

(2012/05/29)

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