《ジュラシック・レイク "Beyond Loch Ness"★★(2007年,カナダ)


 スペリオル湖の小さな町でネッシーが大暴れするという、カナダ製のモンスター映画。どうやらテレビ向け映画らしいです。低予算モンスター映画ですが、スプラッターシーンにやけに力を入れていて、モンスター映画というよりグロいホラー映画に近い感じです。登場する古代の恐竜はもちろんCGですがそれなりによくできているし、ストーリーもきちんとまとまっていて、この手の映画としては悪くない方でしょう。

 ただ、モンスター映画としては小さくまとめすぎたというか、小綺麗にまとめすぎた感じで、突き抜けた面白さはありません。優等生の模範解答みたいな感じです。

 ちなみに、ネス湖については以前紹介した《Beneath Loch Ness》という映画に書いたとおりで、面積は洞爺湖とか浜名湖と同じくらいで、最深部は230メートル。要するに、巨大生物が持続的に暮らすにはちょいと狭苦しい大きさの湖です。


 まず、舞台は30年前のスコットランドのネス湖。ここでネッシーの探索をしていた研究者たちがネッシーに襲われ、ただ一人、10歳くらいの子供ジェームズだけが生き延びます。

 そして30年後、スペリオル湖湖畔の田舎町に暮らす未確認生物(UMA)大好き老人ショーンはネッシーを目撃します。彼は甥のジョシュ(ニール・マター)と彼の母親(キャリー・ゲンゼル)に話をしますが、二人は取り合おうとしません。

 一方、30年前に父親をネッシーに殺されたジェームズ(ブライアン・クラウス)はその情報をキャッチします。彼は今ではUMAの研究者(動物学者)となっていて、世界各地のUMA目撃情報を集めていたのです。そしてジェームズはこの町にやってきます。ジェームズはネッシー探査のため、ジョシュをガイドとして雇い、湖で調査開始。そうこうしているちに、町のあちこちでバラバラ死体が見つかり、検死官からは未知の生物のDNAが検出されたという連絡が入ります。

 そういう騒ぎをよそに、ジョシュの元カノ(アンバー・ボリィキ)が最近つきあい始めたチャラ男君たちと湖の真ん中にある無人島に向かっていましたが、なんとそこはネッシーの繁殖地で食欲旺盛な子供ネッシーがたむろしていたのでありました・・・という映画です。


 登場するネッシーは「古代のプレシオサウルスの生き残り」と説明されていますが、映画の中のネッシーはプレシオサウルスとは全然違う形をしていて、陸生のブロントサウルスみたいな足でノシノシと歩き回っては、人間を襲ってパクつきます(ちなみに、プレシオサウルスの足はヒレ型で、陸上は歩けません)。顔はかなり凶暴顔で食欲も旺盛です。映画には子供プレシオサウルスも多数登場しますが、親に負けず劣らず食欲旺盛で、人間様をどんどん食い散らかします。ジョシュの元カノの現カレが襲われて食われるシーンなんざ、ほとんどゾンビ映画のノリです。もっともこいつはすごく性格が悪いので、もうちょっと早く食われてもよかったくらいですけどね。

 ちなみに、ネス湖の生き物がなぜ北米のスペリオル湖に来たかというと、ネス湖の湖底の割れ目(トンネル)がスペリオル湖までつながっていて、そこを通ってきたという説明しているようです。エラ呼吸ができない爬虫類がなぜ長大な海底トンネルを泳げるんだろうとか、あの足ではそもそも泳げないんじゃないのとか、いろいろ言いたいことはありますが、まぁ大目に見ましょう。

 ちなみに、プレシオサウルス君は目がよく見えず、音と生体の発する電磁波で獲物を捉えるんだそうです。これが後半、「プレシオサウルスとダルマさん転んだゴッコ」シーンにつながり、島に残された廃鉱の磁鉄鉱が活躍する理由付けになっています。この手の低予算映画としては、かなり頑張って伏線を回収していて、好感が持てます。


 通常、このような低予算モンスター映画では、モンスターは体の一部しか見せず、全身像はなかなか見せないのが定石ですが、この映画では最初から見せまくりの大盤振る舞いです。ケチくさくないのがいいです。プレシオサウルス君のCGの出来にかなり自信があったのでしょう。


 UMAハンター(?)に成長したジェームズは典型的な中年タフガイでして、最近の映画では珍しく終始タバコを吸っていて、巨大ライフルやら電磁パルス銃やら、いろんな武器を携帯しています。どれもこれも高額な武器に見えますが、ジェームズさんはどうやって買い揃えたのか、その資金はどうやって捻出したのか、そもそもこの人はどうやって生活しているのか、そちらの方が気になったりします。

 ジョシュ君はとても性格のいいイケメンのいい子です。カレの元カノも性格のいい美人です。映画の中では二人は別れたばかりで、元カノは新しい彼氏とつきあい始めたようですが、ジョシュ君と比べるとなんで今の彼氏を選んだのか、理由がわかりません。まぁ、映画の最後ではよりが戻りますが(というか、途中で彼氏が食われちゃうわけですが)、よりが戻ってよかったと思います。ちなみに、元カノは彼氏たちと湖の無人島でキャンプし、元カノと彼氏は同じテントに入りますが、まだオッパイも触らせてもらっていない模様です。というか、そういう二人が一つのテントに入る方が不自然ですよね。


 そういえば、この手の映画では「無駄オッパイ・シーン」が付き物ですが、このカナダ映画にはそういうシーンは皆無です。オッパイの谷間すら登場しません。カナダの映画界は生真面目で品行方正な人ばかりのようです。

(2012/06/14)

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