《ビューティフル・バディ "A Fork in the Road"》★★★★(2009年,アメリカ)


 ちょっと小粒だけど、よく練られた脚本を元に作られた良質のクライム・コメディー映画。邦題は意味不明ですが、原題は《道路の上の1本のフォーク》で、道の上に落ちている1本のフォークが発端となって、様々な事件が「風が吹けば桶屋」方式に連なり、主人公がドンドン面倒な事態に巻き込まれていきます。ただ、最後の方は一応ハッピーエンドを迎えるので、見終わった時は悪い気はしません。

 多分、同じ脚本でもうちょっと有名どころの俳優が出ていたら、もっと華がある楽しい映画になったかもしれません。そのあたりはチョイ惜しかったかな?


 舞台はアメリカの田舎の町。その道路に1本のフォークが落ちていた。そのフォークを踏んで車がパンクし、車は横転。横転した車は警察護送車で護送されていたのは囚人のウィル(ジェイミー・キング)。これ幸いとウィルは車から逃げ出し逃走します。

 そしてウィルは町外れの家の納屋を見つけ、そこに隠れて囚人服を脱ぎ捨て、そこにあった服に着替えます。するとその時、銃声が! なんとその家の主と思われるまだ若い女性が死体を車に運ぼうとしている様子が見えます。どうやらこの女エイプリル(ジョシュ・クック)が男を射殺し、証拠隠滅を図っている模様です。女が死体を乗せた車に乗り込んで走り去るのを見たウィルは、女が当分帰ってこないだろうと考えてその家に入り込み、冷蔵庫の中を漁り始めます。

 すると、突然女が戻ってきます。どうやら囚人脱走で検問に引っかかりそうになり、戻ってきたようです。そこでエイプリルとウィルは鉢合わせになり争いになりますが、そこに保安官がやってきます。エイプリルはとっさに嘘を付いて保安官を帰しますが(何しろウィルに殺人現場を見られている)、今度はウィルがエイプリルが殺した死体の始末に手伝う羽目になります。

 そして、二人は人気のない場所で穴を掘り死体を埋めようとしますが、その時、死体が起きあがります。どうやら死んでなかった模様です。仕方ないので二人は男を殴って気絶させ、殺しちゃマズいと言うことで口を粘着テープでふさぎ、手足を縛ってくる間のトランクに入れます。ここまでウィルはトランクの男がエイプリルの旦那だと思っていましたが、実は旦那ではなく、セールスマンであり、彼に脅されていることを明かします。セールスマンはエイプリルを酒で酔っぱらわせて裸でベッドに一緒にいる写真を撮り、それをネタに強請っていたんですね。それを旦那の嫉妬深いカール(サイラス・ウィアー・ミッチェル)に知られちゃ殺されますから、セールスマンと話し合おうとして弾みで銃を撃っちゃったようです。

 エイプリルとウィルはセールスマンのキャッシュカードでモーテルを借り、彼をバスルームのトイレに粘着テープで縛り付け、とりあえずウィルは食料品を買いに出ますが、その間にモーテルのセールスマンは逃げだそうとしてもうガタがきている便器をそのまま引っこ抜いて逃げようとしますが、足を滑らせて浴槽の中に転倒。そして重い便器をだっこしながら水死しちゃいます。

 ウィルは戻ってきて浴室の死体を発見。今度こそ確実に死んでいますが、死体を隠さなければいけません。そこで砂漠に行って、崖から車が落ちたように細工します。無事に車は崖から転落しますが、その時エイプリルは「車の中にキャッシュカードも現金も携帯電話も入れたまま」だと気が付きます。二人は崖を急いで降りますが、二人の目の前で車は爆発炎上! とりあえず死体は処理できました。

 しょうがないので二人はヒッチハイクをしてエイプリルの自宅に戻りますが、そこにエイプリルの夫が帰ってきます。実はこいつは嫉妬深いくせに自分はエイプリルの姉と不倫中! 夫のカールはベッドが乱れていて、そばに男物のパンツ(これはウィルが脱ぎ捨てたもの)が落ちていることに気が付き激怒! エイプリルを殴りつけようとして、そこにウィルが助けに入り、何とかカールを縛り付けて、これまでの事情を説明します。もちろん、カールは半信半疑です。

 で、色々あって、カールは妻とセールスマンが不倫をしている証拠写真を見てしまい、またもやキレてセールスマンの自宅に怒鳴り込みますが、その様子を隣人が見ていて警察に通報。しかも、セールスマンが姿を消して捜索依頼が出ています。しかもカールの自宅からはセールスマンの血痕まで発見され、カールは逮捕されます。カールはエイプリルの姉に自分のアリバイを証明してもらおうと電話をかけますが、エイプリルの姉は実は・・・という映画です。


 とにかく、ボタンの書け違いからドンドン事態が悪化するんですが、人に説明してもなかなか納得してもらえず、最初1つの死体だったのに2つ目の死体までできちゃって、さらに混乱するんですよ。

 しかも、エイプリルのお姉さんというのがこれまたスゴくて、妹のエイプリルに「私、あんたの恋人全員と寝たるわよ」なんて言い出す始末。しかも、セールスマンの強請り事件の片棒まで担いでいました(主犯ではないけどね)。でも、この嘘つき悪女がもてる能力を発揮して、警察で絶妙の演技をして妹とウィルを最後に助けちゃうんですよ。しかも、きちんとカールも殺してくれて、ウィルとエイプリルの恋も成就させてくれます。グッジョブでございます。ウィルとエイプリル、無事にカナダに逃れます。

 あと、ウィルも他人の罪を被った「本当はいい人」という設定だし、エイプリルも実は自分と家庭を守るために銃を撃ってしまい、実は夫もとんでもないDV野郎ですから、二人に感情移入しやすくて、途中からは完全に二人に応援モードですよ。こういう映画は見ていて気持ちがいいです。


 そういうわけで、見て人生の足しになるような映画ではありませんが、見て損した気分にはならないと思います。暇潰しにはいい映画じゃないでしょうか。

(2013/03/08)

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