カナダのLionsgateが放つ「UMAシリーズ」第4弾がこれだ・・・な〜んて書き始めましたが,UMAシリーズなんて見ている人はほとんどいないだろうなぁ。ちなみに作品名を列記すると「マンドレイク」や「モスマン」,「新・トレマーズ」となります。もちろん,私は全て見ています。よほど暇なんでしょう。
ちなみに,ゴブリン(Goblin)といえば一般的には「醜く邪悪な小人・精霊・幽霊・守護霊」という想像上の生き物ですが,この映画に登場するゴブリンは身長2メートルくらいで,ゴブリンのイメージとはかなり違います。しかも,人間はは殺すけど喰いません。
そういうわけで,ストーリーはこんな感じ。
まず舞台は200年前。むらは作物が取れず,困り果てた村人たちは不浄を清める儀式をします。そして,枯れたトウモロコシとか腐ったリンゴとかを火に投げ入れるんですが,次に赤ん坊を投げ入れようとします。醜い容貌で生まれたからです。もちろん,母親は半狂乱になって止めようとしますが,シャーマン(?)は赤ん坊を火に投げ入れます。ところが,この母親が実は魔女で,呪文で日の中の赤ん坊を怪物ゴブリンとして復活させ,毎年ハロウィンの日に赤ん坊を殺すと村に呪いをかけます。
時は移って200年後,その村の山小屋に一家(父親,母親,娘,生まれたばかりの赤ん坊)と娘の女友達がやってきます。娘の母親は病気かなんかで死んでいて,今の母親は継母です。どうやら,父親はこの村を開発するに加わっているようです。そして,村の食堂に入りますが,そこで酔っ払いジジイが「この村は呪われている。さっさと出て行け!」とわめきます。もちろん,食堂の女主人は追い出します。ちなみに女主人の旦那さんは保安官です。
で,一家は山小屋に入ります。なんだかいろいろあって,娘が村に買い物に行きますが,ハロウィンだというのに店はどこも閉まっています。娘は困っちゃいますが,そこに偶然,隣の大きな街に住んでいるボーイフレンドとその友だちがやってきて,山小屋に送ってくれます。
翌日,父親と母親は町の代表者である保安官と開発交渉しますが,ご破算になります。そして,村に伝わる呪いの伝説を知ります。そしてその頃,娘の友達が山の中でゴブリンに襲われ,ついに赤ん坊を連れ去ってしまったのでした・・・・ってな話です。
この映画を見た人は誰しも,「そんな呪いのかかった村になぜ暮らす? 皆で村から出て行けばいいだけじゃん。でなければ,ハロウィンの日だけ赤ん坊を村の外に避難させればいいだけだよね」と気が付きますが,それを言ったら話が進まないという大人の事情をお察し下さい。
肝心のゴブリンですが,黒いマントに身を包んだヨーダの顔を更に醜くした,という感じでビジュアル的にはイマイチ感がばっちりです。もうちょっと格好良く,恐ろしげに造形して欲しかったです。
このゴブリンを倒す武器はゴブリンの生みの親の魔女が作ってました。呪いをかけてゴブリンとして復活させたけど,数年後に村に戻って反省し,霊力を込めた槍を作ったんだそうです。これがなんとも安っぽくて,そこらに落ちている棒切れを拾ってきて槍にしました的な残念感が一杯です。伝説の武器なんだから,もうちょっとオドロオドロシイ形態にして欲しかったです。
それと,登場人物が少ない割に人がどんどん死んでいきます。「ゴブリンは赤ん坊を連れ去って魂を貪り食う」という説明をしているんですが,全く関係のない人間をバンバン手当たり次第に殺しまくります。ただでさえ登場人物が少ないのに,こんなに死んじゃったら最後に誰が生き残るんだろう,と心配になるくらいです。まさか,継母やボーイフレンドまで殺されちゃうとは想像していなかったよ。「最後に生き残るのは誰でしょうか?」というクイズをしたら,誰も正解できないと思うよ。
この映画の唯一の美点は,ゴブリンが活躍(?)するのが日中だということです。陽光の中での撮影ですから,この手の映画(得てして暗闇のシーンが多く,何が起きているのかよくわからないことが多い)としては格段の見やすさ・分かりやすさです。もちろん,暗闇のほうが怖さは倍増しますが,やはり見やすいほうが嬉しいですね。
あと,継母役と娘さん役がもうちょっと美熟女・美少女系だったら嬉しかったですね。それと,この手の映画では必須要素であり「エロ」については全くありませんので,そのあたりは期待しないように。
(2013/04/26)