《ナチス・イン・センター・オブ・ジ・アース "Nazis at the Center of the Earth"(2012年,アメリカ)


 いやはや,すごい映画ですよ,これは。Asylumの有名映画便乗路線映画なんですが,それを見つけて配給しちゃうアルバトロスがいつもながら素晴らしい仕事をしています。だって,ヒトラー総統がロボットのお姿で復活ですぜ。そのロボット@ヒトラーがUFOに乗るんですぜ。これは絶対に見るでしょう・・・B級映画マニアとしては。

 実際に見てみると,予想を裏切らないダメっぷりです。いやはや,すごいもの見ちゃったなぁ・・・と。


 第二次世界大戦中,強制収容所で人体実験を繰り返したことから「死の天使」と恐れられていたメンゲレ博士は大戦末期,ナチス兵士を伴って忽然と姿を消した。

 舞台は移って現代の南極。ニブルヘイム基地で科学者たちが研究を続けていたが,マークとペイジは突然姿を消してしまう。そこで,レイスタッド博士たちは足あとを発見し,それをつけていくが,そこで深いクレバスを発見する。彼らはクレバスを降りるが,そこで地底世界を発見するが,そこでナチス親衛隊に捕まってしまう。実はそこはナチスが長年研究していた地底世界アガルタであり,戦争末期に姿を消したメンゲレがヒトラー総統の復活の研究をしていたのだ。そして,メンゲレも親衛隊員も,南極基地からアガルタに入り込んだ人たちから皮膚やら骨やら臓器を頂いて移植することで生き延びていたのだ。そして,レイスタッドが実はナチスの一味で,隊員たちをここに誘い込んだのだ。

 切り離した頭部の復活の研究をしていたメンゲレトレイスタッドは,胎児の脳にある幹細胞を使えばいいことに気付く。そして妊娠していた恋人のシエル博士の胎児を取り出し,幹細胞を移植する。するとロボットが立ち上がり,頭部に出現したのはあのヒトラー総統だった。ヒトラーは第三帝国の復活を高らかに宣言! メンゲレはUFOも完成させ,そこから人食いバクテリアのビブリオ・バルニフィカスを世界中にばらまく計画を立てていた。

 果たして南極基地の研究者たちは,ヒトラーやメンゲレの悪魔の計画を阻止できるのでありましょうか・・・というナイスな映画でございます。


 というわけで,ヒトラー@ロボットがなんともチープでナイスです。DVDジャケットのロボットより当社比50%減の格好悪さです。ま,要するにいつものAsylum品質ってやつです。このロボットのお姿を見ただけで,もう元は取れましたね。


 UFOはアダムスキー型の円盤ですが,その内部は新旧のメカが混在していてナイスです。変に未来的な銃を使っているかと思うと,隔壁や扉は見事に錆びついています。第二次大戦の頃のものとしか思えません。このやっつけ仕事ぶりがいかにもAsylum品質です。

 ヒトラー@ロボットとペイジ博士たちの最後の決戦の様子も,チープで素晴らしいです。オイオイ,その注射器,どこから持ってきたんだよ。

 そういえば,冒頭のシーンでメンゲレ博士たちが乗り込む飛行機はセスナ機に毛の生えた程度なんですが,それで南極まで行けたって素晴らしくないですか。


 あと,スプラッター・シーンは満載で,顔の皮を剥いだり,首がちょん切れたりするのは日常茶飯事の映画ですから,そこら辺が弱い人は見ないほうがいいかもしれません。

 ちなみに,ヒトラーがオカルト好きで,結構まじめにアトランチスとかの伝説を信じていて,地下王国アガルタでの第三帝国継続をかなりガチで考えていたのはちょっと有名です。また,オカルト好きの間では,世界各地で目撃されているUFOは実はアガルタのような地下帝国が作ったものだ,というのも定番中の定番の知識です。

 あと,人食いバクテリアのビブリオ・バルニフィカスが登場しますが,これは日本でも死に至る創感染を起こすことで知られています。2006年に熊本県で二人の死者が出ています。このビブリオは海水より汽水(NaCl濃度が1%前後)で増殖する細菌で,しかも水温が高くないと増殖できません。つまり,「夏に,湾に流れ込む河川が増水して汽水域がひろがる」という特殊条件下でないと増殖しない細菌です。この条件の厳しさを考えると,いかにメンゲレ博士と言えども,ビブリオ・バルニフィカスを生物兵器にしてイギリスやアメリカを攻撃するのは無理ではないかと思います。


 というわけで,典型的お馬鹿地雷原映画ですので,普通の映画ファンは絶対に見ないで下さい。

(2013/05/02)

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