《テイキング・ライブズ Taking Lives》 (2004年,アメリカ)


 ポッチャリしたくちびると巨乳で世界中の男子中学生・高校生の妄想をかき立てる女優さんといえば,アンジェリーナ・ジョリー(以下,アンジー)。その彼女が,FBIの捜査官を演じている小気味いいサスペンス系シリアルキラーものがこの映画です。彼女,個々の顔のパーツはいいんだけど,バランスが微妙にずれていて,それがまたなんとも色っぽくてよろしいのですよ。しかもこの映画ではもったいなくも,ワンシーンだけですがエッチシーンがあり,美乳を披露して下さいます。


 舞台はカナダ。家出少年とおぼしき眼鏡少年(きれいな顔立ちでちょっと中性的な感じ)がミュージシャン希望の同年代の少年(こいつも家出中か?)と仲良くなるシーンから始まります。で,二人でレンタカーを借りて走らせるんだけど,途中で車のホイールがはずれてしまう。そこで車を止め,タイヤを交換しようとしていると向こうから車が走ってきます。するとこの眼鏡少年,「君と僕は同じくらいの背格好なんだね」と言ったかと思うと,いきなり走ってくる車の前に相棒を突き飛ばしちゃう。はねた車は猛スピードで横転し運転手は死んでいます。それを確認してから眼鏡少年は相棒の元に向かい,まだ息のある彼の顔を石で滅茶苦茶に殴るのです。

 虫も殺しそうもない,どちらかといえばいじめられっ子キャラの少年がいきなり凶悪犯行です。なんだこの展開は,と思う暇もありません。最初から飛ばしてます。その後も速いスピードでストーリーが展開していきます。まずこの時点で,サスペンス映画としては合格点。

 そして20年後,幾つかの男性の惨殺死体(顔が潰され,両手が切り落とされている)が見つかるんですが,モントリオール警察では事件の異常性に気がつき,FBIの異常犯罪捜査官のイリアナ(もちろんアンジーが演じています)が派遣され,捜査に協力することになります。そして,過去に起きた犯人不明の同様の手口による殺人事件が洗い出され,一人のシリアルキラー(連続殺人犯)による犯行が次第に浮かび上がってくるのです。


 もちろん,シリアルキラーものなんで死体はバンバン出てくるし,腐りかけの死体も登場しますが,それほどグロくないので,こちら方面に強くない人も比較的安心手見られると思います。

 本当の犯人は誰なのか,なぜ連続殺人を犯しているのか,といった謎解き部分も比較的しっかり作られていて,説明不足の部分が少なく,だれる部分もないため,100分間楽しめました。


 とはいっても,ストーリー展開でミスったな,という箇所が幾つかあります。例えば後半,「これが真犯人」と警察が考える男が壮絶な死を遂げますが,その時点でまだ映画開始から70分ほど,つまり30分ほど残っているため,これで一件落着じゃないよねと誰しも思ってしまう点がそうです。しかもその前にこいつが,「オレから盗んだ絵を売ったくせにその代金を」なんて会話をしているため,こいつが真犯人でないことはその点でばれてしまっています。となると,残りの人物の誰かが真犯人ということになり,どう考えても「あいつが真犯人だろう」というやつは一人しか残っていません。だから,「盗んだ絵・・・」というセリフはなかった方がよかったかも・・・。


 とは言っても,一番最後のアンジーの○○姿にはちょっとびっくり(これは見てのお楽しみ)。そうか,あれで○○しちゃったのか,それで◆◆から△△されちゃったのか,と納得してしまいましたが,実はこれは最後の大どんでん返しのための伏線だったんですよ。これには騙されたな。

 その前のシーンで,アンジーが一人のか弱い女の子の表情になる部分があったんだけど,それがあるからこそ,一番最後のきりっとした表情で決めるセリフが最高に格好いいのです。

 あと,FBI介入を快く思わないモントリオール警察の刑事たちが,イリアナが判らないようにフランス語で会話するんだけど,知らないフリをしていたイリアナがフランス語で切り返すところもよかったな。


 とにかく,これは見て損はない映画ですし,アンジーの豊かな感情を込めた目の表情の変化を見るだけでも楽しめるはずです。

(2007/02/26)

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