《クイーン・コング》 (1976年,イタリア/イギリス)


 うわぁ〜,マジで書くことがない映画だぞ。ありとあらゆるギャグがすべりまくっているし,まさに救いようがない感じだ。1976年という時代を考えても,よくもまぁ,こんな映画を作っちゃったもんだし,2001年に日本で劇場公開されたというのももしかして冗談だったんじゃないの?

 ま,一言で言えば「♀キング・コングとフェミニズムの合体」ってとこかな? 女性ばかりの映画撮影隊がヒッピー兄ちゃんを主人公に映画を作ろうとしてアフリカに向かい,そこで,アマゾネス(?)たちが守り神とあがめている巨大♀ゴリラ,“クイーン・コング”に出会っちゃうわけ。そこでこのヒッピー兄ちゃんがクイーンへの生贄としてお供えされちゃうんだけど,なぜかクイーンちゃんがヒッピー兄ちゃんに恋しちゃって・・・ってな映画さ。でもって,クイーンを生け捕りにしてロンドンに連れてきて見世物にするんだけど,暴れだしたクイーンちゃんがヒッピー兄ちゃんを求めて暴れまわり,ヒッピー兄ちゃん片手にビッグベンを登るんだ。


 というわけで,本家のキング・コングのパロディーはあるし,細かいところにギャグはちりばめてあるし,ジョーズやエクソシストのパロディーシーンもあるし,ティラノザウルスやプテラノドンとの対決シーンはあるしと,まともに作っていれば笑いどころ満載の映画になったはずなんだけど,全てが中途半端な上に作りがチープで,さらに笑わせ方があざとすぎるため,全然笑えないパロディー映画になってしまいましたとさ。これほど寒くてチープなギャグの連続は《カニバル・カンフー 燃えよ!食人拳》以来だな。

 冒頭のロンドンからアフリカに向かう船は近海用の漁船だし,ティラノザウルスもプテラノドンもわざとだろうけど悲惨なほどのチャチな作りだし,特撮シーンは目を覆わんばかりだし,ビキニのお姉さんばかり登場するわりにはお色気シーンはないし,ストーリーは無理矢理・無茶苦茶だし,登場人物同士の会話はかみ合ってないし,いきなり歌と踊りのミュージカルになるし,見る方は頭を抱えて呆然とするしかありません。果たして自分が見ているのは商品として売られている映画なんだか,学園祭用に高校生が適当に作り始めたんだけどあまりにくだらなくて途中で捨てたフィルムを拾ってきたものなんだか,よくわからなくなってきます。


 すみません,もうこれ以上書けません。書く事が見つかりません。

(2007/01/26)

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