《ジョーズ・アタック2 −死神ジョーズ 戦慄の血しぶき−》 (1984年,アメリカ/イタリア)


 「なんじゃ,こりゃ」系の海洋モンスターパニック映画。1984年とちょっと古い(?)映画だけど,内容の古臭さはそれよりはるか昔のモンスター映画級です。まず,音楽がすごくチープ。素人がシンセサイザーで作った音楽みたいです。ストーリーもやけにゴチャゴチャしているというか,ストーリーに関係のないエピソードがあるため,単純なくせに判りにくいと,最悪なパターンに陥っています。


 一応,ストーリーとしては,どっかの海で足を食いちぎられた死体が見つかり,初めはサメの仕業と思っていたけど,歯の形が違うんで,これは未知の生物じゃないか,ということになり,海洋学者が調査を始めるのですよ。そこで,声を録音するための装置を知り合いの業者に頼んだりするんだけど,その業者に賊が押し入って装置を壊したり,調査に邪魔が入ったりするわけよ。おまけに,「この秘密,警察にばらすわ」なんて電話をした女性が殺されたり,他にも殺人事件があったりして,なんだか秘密があるらしい。

 で,結局は,海洋資源を独り占めしようと考えた科学者(だったかな?)が,ホオジロザメの遺伝子と巨大タコの遺伝子を組み合わせ,さらにイルカの知能を持たせて作り上げたモンスターだということがわかるんだよ。当然,警察だったか海洋警備隊だったかは,そんなやばい奴,殺しちゃえとと考え,おびき寄せて爆破する計画を立てるわけよ。ところが,怪物の千切れた触手を調べたら,細胞がどんどん分裂することが判明。なんでも,12時間後には1個の細胞から新たなモンスター一匹が生まれるらしい。じゃあ,爆破なんかしたら,化け物がウジャウジャ増えてくるぞ,そりゃ,困ったな,ってな映画です。


 さあ,けなすぞ。

 何より,モンスターが駄目ですね。安物巨大モンスター映画は大体において,モンスター作りで手を抜くものでして,全身像を決して拝ませてくれなかったり,水中シーンばかりでよくわからないように工夫したり,局所のアップはあっても全体の形を見せないという手を使うものです。もちろん,この映画もその例に漏れず,主役のモンスターのお姿は最後までよくわかりません。

 また,何でこんな化け物を作ったのか,これでどうやって儲けようとしていたのか,作った奴の目的がよくわかりませんし,説明もなし。

 途中で,女性古生物学者が登場して古代ザメの歴史を教えてくれるんだけど,結局,怪物は古代ザメじゃないわけで,せっかくの彼女の講義はまったくの無駄。何のために登場した人物かよくわかりません。

 爆破して殺しちゃマズイ,ってんで,モンスターの全身を焼いてしまえばいい,ということになって,ボートで入り江に誘い込んで,そこにガソリンをまいて火をつけて焼き殺そうとするんだけど,そりゃ,何が何でも無茶だぞ。相手は水の中なんですぜ。どっかに火がついたら,まず水の中にもぐって水面には出てこないと思いますね。それなのにこのタコザメちゃん,なぜか水面に上がってきて焼きタコザメになっちゃう。アホですな。


 ちなみに,このタイプの映画に登場する女性科学者って,美人で巨乳で極小ビキニのサービスシーンを見せてくれるのが常識ってもんですが,この映画の女性科学者はすごい美人でもなければ巨乳でもありませんので,期待しないように。

 それにしても,タイトルの《ジョーズ・アタック》って,別にもなかったっけ? 私,どこかで見たような記憶があるんだけど・・・。もちろん,B級サメ映画だったけどさ。

(2006/12/21)

 

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