身分差別社会の真実(斎藤洋一+大石慎三郎 講談社現代新書)
「士・農・工・商・エタ・ヒニン」と一般にいわれる「江戸時代の身分制度の常識の嘘」を暴いた本。
「エタ・ヒニン」という被差別民が江戸時代に作られたのでなく,中世から存在したことをさまざまな文献から論証。同時に,彼らが江戸時代の社会で,どのような仕事に従事していたか,どのような扱いを受けていたかを詳細に書いている。

ただ,これを読んでも最後までわからなかったのが,「なぜ,被差別民(部落)が作られたのか」というその一点。
10世紀頃の京都で既に,「穢れた」仕事をしている集団があったことはわかったし,病気で死んだ牛馬の解体,革製品の精製に携わっている集団が「穢れ」たものとして考えられていたという事実はわかったが,なぜそのような集団があったのか,という疑問が最後まで残った。

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