ストリッピング術後の難治性潰瘍


 ある外科の先生からの相談です。


 この方は、下肢静脈瘤のストリッピング術後の方です。3年半前の術直後に潰瘍ができ、以後消毒ガーゼを繰り返し現在に至っていまるという方です。

 本年2月の当院初診時には、潰瘍部は、乾燥した浸出液に覆われてカピカピになっていました。そのままmoist dressingを開始しました。肉芽の色が悪いですが、診察室に入って、dressingを取った直後はこんな物じゃありません。もっとどす黒く、何日も前からスーパーの棚に棚晒しになっているパック入りの肉の様な色をしています。
 ベッドに上がって下腿筋をマッサージするとこれ位の色になってきます。足背動脈の拍動は良好です。

 病態としては静脈還流が悪いための血行障害と思われます。病態からはPGE1の点滴をしても効果は薄いのではないかと感じています。
 ハイドロサイト、プラスモイスト、デュオアクティブET、とdressing材を取っ替えひっかえ使ってきましたが最近は潰瘍が却って大きくさえなってきています。
 立ち仕事の方ですので、静脈還流を少しでもよくするよう、少しの時間を見つけてはかかと上げの運動をするようにとか、足を挙上して寝るようにとか指導していますが効果はありません。

 いっそダラダラ血が出るくらい激しくブラッシングして、この水っぽい肉芽を根こそぎにしてみようかといった誘惑にも駆られますが、カタストロフィックな結果になるような気もして踏み切れません。
 ほとほと困っています。ご意見をお聞かせ下さい。よろしくお願いいたします。 


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(2009/04/28)

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