8ヶ月男。神奈川県中央部。
2021年9月11日,ホットクック(電気調理器)の蒸気で左手母指示指間にヤケド。〇〇皮フ科クリニックを受診し,石鹸洗浄とゲーベンクリーム®で治療。日毎に傷が深くなっていくような気がして,両親はネット検索。
9月14日,当院を受診。初診時,創部は深い3度熱傷の状態で,両親には瘢痕拘縮が必発であることを説明。プラスモイストで治療。同時に両親には時々,用手的に母指と示指の間を広げるように指導。
壊死組織は全て自然に融解したが,血流の良い肉芽面が露出した頃から出血するようになり,ヘモスタパッドで被覆。
2ヶ月ほどで上皮化が得られたが,母指示指間に軽度の瘢痕拘縮が生じたため,現在は経過観察中。
わずか3日間の「石鹸洗浄+ゲーベンクリーム」がここまで創面を破壊することがよく分かる症例である。
また,9月28日の状態を見たら熱傷専門医は「直ちに植皮しないと治らない」と説明すると思うが,趾間を用手的に広げながら正しく湿潤治療をすれば,日常生活にはそれほど不自由ない程度には治癒することがわかる。
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