84歳男。既往歴なし(病院を受診したことがない)。
2015年11月下旬から左小指が腫れてきて,次第に痛みが強くなったため,12月22日に当科を受診。視診上は左小指に異常はなかったが,触診すると左小指遠位が冷たかったため,当院心臓血管外科に紹介。24日に同科受診。上肢の動脈に閉塞などの異常はなく,ドルナーの処方を受けて帰宅。26日に同科再受診したが,左小指先端が壊死していた。再度,検査を行ったが,左小指の動脈のみの局所的閉塞を認めた。
12月28日,当科受診。既に中節部まで壊死が及んでいた。年末年始体制に入るため,患者さんに処置方法を指導したが,一人暮らしで処置できないとのことで,ズイコウパッドで左小指を被覆し,年明けに受診してもらうこととしてそれまでドレッシング交換は行わなくていいと説明。内服抗生剤処方。
1月4日に再受診したが,基節部まで壊死していた。壊死組織の自然融解を待ち,1月25日に壊死部分の切断。2月1日に露出している骨の切除(PIP関節の関節面での離断となった)。関節軟骨が露出している状態でプラスモイストでの被覆を続け,関節軟骨も肉芽に覆われ,5月には自然に上皮化(創閉鎖)した。
12月28日 | 1月4日 7日後 |
1月25日 28日後 |
2月1日 35日後 |
3月2日 65日後 |
3月16日 79日後 |
3月30日 93日後 |
5月6日 130日後 |
5月18日 142日後 |
【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/2070/index.htm】