84歳女。
 糖尿病,糖尿病性腎症で人工透析中。
 糖尿病性壊疽で数年前に〇〇大学△△病院で右足遠位部の切断術を受けているが,足底に胼胝が生じ,その後膿瘍形成。同院整形外科で切開排膿したことで感染は治まったが,切開部の傷が治らなくなり,自宅近くのクリニックに通院している。骨髄炎疑いで当院整形外科紹介となり,骨に異常がないため,当科紹介となった。
 右足底遠位に5ミリの開口部があり,深さは3センチの瘻孔となっていた。深部に骨は触れなかった。
 ナイロン糸ドレナージを行い,プラスモイストで被覆した。患者の家族に手芸店や釣具店で売っているテグスをこよりにして創部に挿入する方法を指導し,毎日入れ替えるように説明。当科への通院は2週間に一度とした。
 その後,瘻孔の入り口が閉じそうになっては小さな膿瘍を作ったりしたが,抗生剤投与が必要な感染は一度も起こさず,10ヶ月後に瘻孔は閉鎖した。その後は再発していない。

2013年12月11日 瘻孔 ナイロン糸ドレナージ
2014年10月6日


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1128/index.htm】

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