59歳女性。北関東在住。
4月10日,〇〇大学病院皮膚科で左耳前の皮膚がんの切除を受け,左大腿から皮膚移植で再建した。2週間後に退院し,退院時には左大腿に塗るようにと4月25日退院。左大腿にヒルドイドソフト®が処方された。
5月21日に同科を再受診した際にだいたい皮膚採取部の痛みを訴えたところ,「ケロイドになっているための痛みで,長くかかるよ」と説明され,ゲンタシン軟膏が処方され,。ガーゼで覆うように指導された。
同日,更年期障害で同院産婦人科も受診した際,産婦人科医師に「皮膚を取ったところが痛くて歩けない」と相談したところ,「この大学の皮膚科では治せないと思う。ちょっと遠いが東京にいい病院がある」と当科受診を勧めてくれた。
5月22日,当科を受診。大腿の恵皮部に血疱が多発していたため,血疱膜を除去してプラスモイスト®で被覆した。この処置で痛みはなくなった。6月11日に皮膚が再生した。
5月22日 | 5月28日 | 6月11日 |
5月22日 |
それにしても,この〇〇大学皮膚科の医者は本当に皮膚科医なのだろうか。一目見れば血疱ができていることに気がつくはずなのに,それも見逃していて,おまけに血疱をケロイドと誤診している。もしかしたら,それまで血疱を見たことがなく,おまけに本当のケロイドも見たことがないのかもしれない。
しかも,ケロイドの治療ということでゲンタシン軟膏を処方するのだ。阿呆という言葉はこういう医者にこそふさわしいと思う。
ちなみに,上皮化直後の恵皮部(皮膚採取部)は脆弱なことが多く,ちょっとした物理的刺激で血疱を作ることが多い。ちょっと長めにプラスモイストを貼って保護しておくのがいいかもしれない。
【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/861/index.htm】