64歳女性。埼玉県。
 2012年12月に右乳癌が発見されたが,手術不能と言われたため,〇〇県の△△センターで放射線治療を受けた。2014年1月から照射部位にビランが生じ,次第に悪化した。主治医から「緑膿菌が出ているため悪化した」と説明され,菌を殺すために石鹸で傷をよく洗い,消毒を十分にするよう指導され,ユーパスタを処方されたが,潰瘍は更に深くなった。〇〇県の◇◇病院に入院して高圧酸素療法を受けるも,さらに潰瘍は悪化。痛みがひどくて眠れなくなり,鎮痛剤と睡眠薬処方されたが,鎮痛剤で消化器症状が出たために消化性潰瘍の薬が追加された。
 書店で筆者の本を見つけて読み,当科を受診した。
 当科では,緑膿菌は潰瘍悪化の原因ではなく,石鹸とユーパスタと乾燥が悪化の酒販であることを説明し,「穴あきポリ袋+紙おむつ」(勝手に鳥谷部先生のサイトにリンク)で覆うように説明し,自宅近くで湿潤治療を行っている医師に紹介した。ポケットの深さは8センチほどだった。
 2014年12月と2015年1月に再受診されたが,2015年1月ではポケットは深さ2センチほどになっていた。

2014年4月30日 2014年12月4日 2015年1月29日


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/889/index.htm】

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