82歳女性。神奈川県在住。
 2012年夏ころ,右足に傷ができて自宅近くの皮膚科クリニックに通院していたが治らなかった(治療の詳細は不明)。2013年6月3日に右下腿の腫脹と熱感があり抗生剤を処方されたが,なかなか症状が消退しないため,15日に〇〇大学△△病院形成外科に紹介され,入院となり,連日抗生剤点滴。局所はゲーベンクリーム,アクリノール湿布で治療。蜂窩織炎は治癒したが,下肢の激痛が続き,形成外科の主治医からは「この痛みを取るには足を切断するしかない」と説明され,下腿切断術を勧められた。
 家族が「年をとってから足を切断するのはあまりに可哀想だ。切断しなくても痛みを取る方法はあるはずだ」とネットで検索し,湿潤治療を発見。6月27日に当科を受診した。
 当科では,痛みの原因はゲーベンクリーム(R)なので,ゲーベンを止めれば痛みが無くなる可能性が高いと説明。試しにと,ゲーベンを洗い落としてラップを巻いてみたところ痛みが軽くなって立てるようになった。家族に「穴あきポリ袋+紙おむつ」による治療(勝手に鳥谷部先生のサイトにリンク)を指導。神奈川県内で湿潤治療をしている医師リストを教え,何かあったらそちらを受診するように説明した。  


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/481/index.htm】

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