29歳男性。兵庫県在住。
 2012年9月29日に工場の爆発事故に巻き込まれ,〇〇医療センターに救急搬送され,形成外科に入院となった。4度の皮膚移植術を受けた。手指が動かず,物が握れないことを主治医に訴えたが治療法がないと言われが。ネットで熱傷治療について検索し,当科を受診。
 当科では,瘢痕拘縮形成術以外に治療法がないこと,治療は形成外科で行っていることを説明し,〇〇医療センター形成外科以外の病院を受診するようにアドバイスした。

2013年6月26日


 従来の熱傷治療の常識では,「手背や指背側の熱傷は深くなった場合に伸筋腱が露出するので,早期に皮膚移植すべき」というのが定説だった。この症例でもこの定説を守って早期手術が行われたと想像される。
 その結果がこの体たらくである。私のサイトではこれまで「手背の伸筋腱露出でもアキレス腱露出でも自然に上皮化する」ことを示してきたが,これらの症例から考えると,手背だから早期に手術しないといけない,という論理は成立しないと思う。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/399/index.htm】

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