8ヶ月男。
 2017年1月17日夜,台所のレンジ台に乗せていたヤカンに手を伸ばして落とし,右上腕〜前腕に熱傷受傷。直ちに練馬光が丘病院ERを受診。プラスモイストで被覆。
 1月18日,傷の治療センターを受診。浅い2度熱傷と診断。ズイコウパッドで治療。
 同日夜に突然39℃の発熱。翌朝,かかりつけの〇〇小児科を受診。インフルエンザかもしれないと説明された。同日午後,当科受診。潰瘍底は前日より明らかに白っぽくなっていた。1月21日からは発熱することはなくなり,体幹と顔面に発疹が出て,〇〇小児科では突発性発疹と説明。
 1月23日,潰瘍底は白くなり,全層壊死と考えられる状態になり,その後,3度熱傷に移行した。上皮化完了まで2ヶ月半を要し,肥厚性瘢痕を生じたが,肘関節の伸展障害はなかったため経過観察。5月16日からシリコンジェルシートで肥厚性瘢痕の治療開始。

1月18日 1月19日 1月20日 1月23日

1月26日:8日後 1月30日:12日後 2月3日:16日後 2月8日:21日後

2月14日:27日後 2月21日:34日後 2月28日:41日後 3月10日:51日後

3月17日:58日後 3月24日:65日後 3月31日:72日後 4月11日:83日後

4月18日:90日後 5月16日:118日後 6月15日:148日後 7月18日:181日後

8月23日:217日後


 同様の「高熱後に浅い熱傷が深い熱傷に変化」はこれまで数例経験しています。この症例以外は全て川崎病でした。高熱と熱傷潰瘍の変化の原因は不明です。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/2552/index.htm】