66歳女。群馬県。
 平成5年に交通事故で右下腿開放骨折を受傷し,〇〇病院に搬送され手術を受けた。退院後,創部から膿が出たが,毎日処置を受けても治らなかった。平成13年11月,△△大学付属病院整形外科を紹介され,骨髄炎の診断で4回の手術(骨移植,皮膚移植をそれぞれ2回ずつ)を受けたが傷は塞がらなかった。
 現在は「皮膚を再生させる薬」としてユーパスタが処方され,主治医からは,「治療法はなく,手術方法もない。このままだと傷が皮膚癌になる危険性が高いが,予防法はないし治療法もない。癌になったら諦めるしかない」と説明された。この話を聞いた娘さんはネット検索。この大学病院ではダメだと判断し,当科に紹介状を書いてもらった。
 2016年11月9日,当科受診。ちなみに紹介状には「当院への通院が困難なため,通院の容易な貴科で創処置をお願いします」と書かれていた(ちなみに,自宅は群馬県伊勢崎市で,練馬への通院は△△大学付属病院より大変)
 右下腿に深さ1センチの瘻孔はあったが,局所の感染症状(発赤,腫脹,疼痛)は認められず,「不適切な局所治療による難治性瘻孔」と診断し,ナイロン糸ドレナージを開始。1ヶ月で瘻孔は閉鎖。

11月9日 瘻孔確認


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/2526/index.htm】

左側にフレームが表示されない場合は,ここをクリックしてください