42歳男。良性脊髄腫瘍疑いで当院脳外に通院中。
 2017年の初めころから左大腿に傷ができて膿が出てきた。〇〇大学付属△△病院皮膚科に通院していて,慢性膿皮症と診断され,抗生剤と軟膏が処方されているが,手術するしか治療法はないと説明されている。
 2017年5月19日,当科受診。左大腿前面に2つの瘻孔があって皮下で連続しており,さらに周囲にトンネルが広がっていた。ナイロン糸ドレナージで経過を見ていた。
 全く変化がなかったたため,5月末ころ,2つの瘻孔上の皮膚を切開してみたが,数日で肉芽が上がり,塞がってきたため,6月6日,局所麻酔下に全てのトンネルを切開開放し(皮膚は切除していない),ヘモスタパッドで被覆(抗生剤は処方していない)。トンネル内は白色の角化物で充満し,病的肉芽で覆われていて,ドレナージ程度では治癒しない理由がよくわかった。
 翌日からはズイコウパッドで被覆。6月28日には完治した。

5月19日 瘻孔 ナイロン糸ドレナージ

6月6日 6月7日 6月9日

6月16日 6月21日 6月28日


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/2453/index.htm】

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