46歳女。
 10年前に車のドアに右母指を挟み,治療を受けたが爪が変形してきた。〇〇大学付属病院形成外科を受診し,抜爪されたが変形は治らなかった。その後,△△大学付属病院形成外科,◇◇病院形成外科などを受診し,抜爪を受けたり,消毒するように説明されたりしたが,変形は治らなかった。爪甲が白くなって浮き,爪の下にゴミが溜まるのが困る,とのことだった。
 ネットで検索し,2016年6月7日に当科を受診。次のように思考。

  1. 爪甲が爪床から浮いているのは,爪床が瘢痕化しているためだろう。
  2. 爪床瘢痕化の原因は「抜爪後の消毒と乾燥」だろう。
  3. 正常な爪床に戻せれば,爪甲と爪床は密着して,ゴミが溜まることもなくなるだろう。
  4. 爪床全欠損から爪床が再生した例は多数見ている。
  5. 抜爪し,瘢痕化した爪床を切除し,湿潤治療すればいいかも・・・。
 
 6月16日に局所麻酔下に抜爪し(手術終了時の写真は撮り忘れた)ヘモスタパッドで被覆。翌日からはプラスモイストで被覆。
 10月まで経過観察したが,爪甲は爪床と密着していた。

6月7日 6月17日(手術翌日) 6月21日 6月28日

7月5日:19日後 7月12日:26日後 7月26日:40日後 8月9日:54日後

8月23日:68日後 9月6日:82日後 9月27日:103日後 10月18日:124日後


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/2329/index.htm】

左側にフレームが表示されない場合は,ここをクリックしてください