95歳女。
 2016年2月下旬にヘルパーに左第1趾の爪を切ってもらったが,その以後,爪のところが痛くなったと3月2日に当科を受診。
 短く切られた爪先端が皮膚に食い込んでいた。次のように治療。

初診時の左第1趾の状態。深爪されていて,爪甲先端が爪郭皮膚にぶつかっている。この部位に圧痛あり。
まず最初にハイドロコロイド被覆材を貼布。これは皮膚を保護すると同時に,絆創膏の固定力を確実にするため。
テーピング用の絆創膏を「爪郭とぶつかっている皮膚を離す」方向に貼る。
絆創膏数枚を角度を変えて貼り,爪甲先端と皮膚の接触が起こらないようにする。
この時点で立ってもらい,痛みが消失していることを確認。痛みが残っているようであればテーピングが上手くできていない証拠なので,テーピングをやり直す。
爪甲の湾曲が強い部分にマジックで色を塗る。
マジックの部分を爪やすりで削り,爪甲を薄くする。これで爪甲の湾曲がわずかに緩み,これだけで痛みが軽くなる人もいる。
マジックを塗るのは確実に爪甲が削れていることがわかるのと,患者さんに「削る範囲」を説明するため。

あとは,爪が伸びて皮膚にぶつからなくなるまでテーピングを張り替えてもらう。以後は深爪しないように指導した。


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/2203/index.htm】

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