57歳女性。
 10月13日,自転車同士の衝突事故で転倒。直ちに当院救急室を受診。左上腕内果骨折があり,シーネ固定となった。かかりつけの〇〇クリニックに紹介となった。
 10月30日,皮膚が壊死していると言われ,当科を紹介となった。途中の経過は不明。
 左肘部伸側に直径4センチの皮膚欠損を認め,皮下ポケットは血腫で充満していた。このため,用手的に血腫を除去し,ズイコウパッドで被覆した。

10月30日 10月31日
血腫はなくなった
11月2日
肉芽でポケットが埋まった
11月8日
皮膚と肉芽の段差がなくなった

11月12日
周辺から皮膚が侵入
11月19日 11月28日 12月4日


【皮膚が壊死したメカニズム】
 [受傷直後から皮下に血腫形成]⇒[シーネ固定で気付かれない]⇒[血腫で緊満し,皮膚を圧迫]⇒[皮膚の血流が途絶]⇒[皮膚壊死]⇒[血腫が露出]

【深い傷,ポケットのある傷の治り方】
 [深部から肉芽が上がる]⇒[ポケットを肉芽が埋める]⇒[皮膚の創縁と肉芽面の段差がなくなる]⇒[周囲の皮膚から表皮細胞が遊離して肉芽面に侵入]⇒[肉芽自体も収縮]⇒[上皮化完了]

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/147/index.htm】

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