40歳女。足立区。
 3年前に糖尿病を指摘され,〇〇大学△△病院内科でインスリン治療開始。現在はインスリン1日40単位。
 その頃から,右足底外側に靴ずれから傷ができ,同院形成外科でユーパスタによる治療を受けているが,3年通院しているが治らない。
 2014年8月に左第2趾に靴ずれができ,同院形成外科でユーパスタの治療となったら,どんどん悪化している。
 9月10日,TBSの深夜番組『上田晋也が真相直撃!「ニュースの巨人」』をたまたま見ていて湿潤治療のことを知った。10月20日ころ,〇〇大学△△病院形成外科医から「下腿での足切断が必要」と言われたため,この病院から逃げ出すしかないと決断,10月24日に当科を受診。

 左第2趾背側と,右足底第5趾MTP関節部に全層皮膚欠損を認めた。HbA1c 12.0%,血糖371mg/dlで,インスリン合計40単位/day投与していたが,血糖値は不安定で,400位上の時もあれば低血糖になることもよくあったそうだ。ちなみに体重85キロ。
 第2趾は全層壊死であり,深部に骨が触れた。過去の同様症例の治療経過を見せて,腐骨が取れれば感染は治まり,今後,指が壊死する可能性もあるが,その場合は指を部分的に切除するだけでよく,大きく切断する必要はないと説明。「穴あきポリ袋+紙おむつ」(勝手に鳥谷部先生のサイトにリンク)で創部を被覆。1週間に一度,通院してもらうこととした。

 同時に,糖質制限で糖尿病が完治することを説明し,糖質制限の本を渡し,よく読むように説明。足立区の友愛病院 水野先生を紹介し,11月8日から糖質制限開始。インスリンは直ちに中止し,内服薬2剤のみとなる。11月20日には血糖値は120mg/dl,27日には90mg/dlで安定。体重も5キロ以上減少。
 11月20日に壊死した趾遠位と腐骨を一塊に除去。12月初めころから足背の軽度腫脹があったが,ナイロン糸ドレナージで様子を見ていた。

 12月27日に胃腸炎から高熱と吐き気があり,足立区の◇◇病院内科に入院。病院食を食べた直後から高血糖状態となり,インスリン治療再開となる。同時に,第2趾に膿瘍形成があり,同院形成外科で膿瘍切開し,ペンローズドレーン留置。形成外科では早期に足を切断しないと命も危ないと説明されたが断固拒否。病院食を食べていると糖尿病になるため,年明け早々に退院。糖質制限を再開し,血糖値は安定。
 2015年1月5日,当科受診。前医での切開では不十分と判断し,第2趾背側を大きく切開し,ヘモスタパッドを創内に挿入し,止血とドレナージを図った。これにより,翌日には発赤は消退し始め,1月8日にはそうは肉芽でふさがった。この頃から,創部の被覆はプラスモイストとした。
 その後は創は順調に縮小した。また,2月17日の時点でHbA1cは6.1となった。

【左第2趾】

2014年10月24日 同日 10月27日 11月6日

11月13日 11月20日 腐骨除去 除去後

11月27日
34日後
12月4日
ナイロン糸ドレナージ
12月11日
48日後
12月18日
ナイロン糸ドレナージ

2015年1月5日
73日後
大きく切開して
ヘモスタパッド
全面ドレナージ
1月6日 1月8日

1月19日
87日後
2月4日
103日後
2月17日
116日後
2月26日
125日後

3月11日
138日後
4月9日
167日後
5月8日
196日後
6月29日
248日後

2016年4月15日
539日後

【右足底】
 右足底は,創周囲の過剰角質切除してプラスモイストで被覆するという方法で治療。こちらも数ヶ月を要したが治癒した。

2014年
10月24日
患部 11月6日 11月20日
27日後
12月4日
41日後

2015年
1月8日
ポケットがあり
ドレナージ
2月4日
103日後
3月11日
138日後
4月9日
167日後
5月8日
196日後

6月12日
231日後
6月29日
248日後

 2016年5月13日,右足底が変,ということで受診。厚い角質の下に膿瘍形成していた。

2016年5月13日
567日後
 


 

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1356/index.htm】

左側にフレームが表示されない場合は,ここをクリックしてください