42歳女。東京都在住。
 二分脊椎があり,両下肢の歩行障害(片松葉で歩行可能)と膝下の知覚障害あり。
 かなり前に右踵に潰瘍が発生。様々な病院で治療を受け,皮膚移植も行われたが治らず,骨髄炎と診断された。2009年,踵の骨髄炎の治療のために,〇〇大学病院整形外科で下肢切断が必要と説明されたが,それでは仕事ができなくなるため,ネットで骨髄炎について調べ,茨城県の石岡第一病院傷の治療センターを受診。
 創感染が起こるメカニズムと創傷治癒のメカニズムについて詳しく説明し,創部は「穴あきポリ袋+紙おむつ」(勝手に鳥谷部先生のサイトにリンク)で被覆し,毎日交換するように指導。以後,発熱することはなくなった。1ヶ月に1度のペースで外来通院してもらい,2012年からは練馬光が丘病院に通院。
 数回,発熱したことがあったが,いずれも「傷口が閉じそうになると発熱」というパターンであり,それがわかってからは創周囲の過剰な角質と不良肉芽を切除することにした (切除後はヘモスタパッドで圧迫止血可能),2014年1月初めに発熱し,1月9日に受診した際,創内から3センチ近い腐骨が創内から出てきて,翌日には解熱した。
 以後も,1〜2ヶ月に一度の割合で通院してもらい,その都度,過剰角質を切除している。

2009年7月13日 2013年8月20日
(初診から1499日後)
入り口が狭くなったので
角質を切除して広げた

2014年1月9日
1641日後
腐骨が出てきた

7月4日(1817日後) 2015年1月8日(2005日後) 3月26日(2082日後)

  
5月15日(2132日後) 入口の過剰角質を切除    6月12日(2160日後)

7月7日(2185日後) 8月12日(2221日後) 10月6日(2276日後)

11月17日:2318日後
デブリ前
デブリ後 12月18日:2349日後

 2016年2月22日に40℃の発熱。翌日には自然に解熱。入り口がふさがってきたための発熱と思われ,過剰角質を切除して入り口を広げた。
 以後は発熱することなく,普通に仕事をしている。

2016年2月24日
2417日後
過剰角質切除後 3月29日
2451日後
4月22日
2475日後

 2016年8月下旬より浸出液の量が著明に減少。臭気も少なくなった。12月,急速に創が浅くなって深さは1センチ足らずになり,ポケットもなくなった。

9月29日
2635日後
11月1日
2668日後
ちょっとピンボケ
12月9日
2706日後

2017年2月22日
2781日後
4月21日
2839日後
7月5日
2914日後

2018年11月9日
3406日後

2019年1月18日:3476日後
仕事が忙しくて受診できなかったが,次第に色が黒くなったとのことで受診。
厚い角質を切除したところ,その下は潰瘍になっていたが,骨には達していなかった。

2020年7月8日
4013日後


【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1253/index.htm】

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