21歳女。練馬区在住。
 2012年10月ころから右第1趾の爪の脇にしこりが発生し,〇〇大学△△病院皮膚科を受診し,尋常性疣贅と診断された。これまでに数回に渡り液体窒素治療を受けたが全く治らない。知人から当科受診を勧められ,2013年4月24日,当科受診。
 診察した瞬間に[これは外骨腫!」と診断。レントゲンで確認した。患者には「良性の骨腫瘍なので心配はないが,邪魔なら手術で取りましょう」と説明。同年8月に手術を行った。


 〇〇大学△△病院皮膚科の先生は,外骨腫という病気を知らないのかなぁ。手足の外科医にとってはかなりポピュラーな病気ですよね。外骨腫を尋常性疣贅と誤診し,液体窒素で何度も焼くなんて,アホかと思います。ちなみに,患者さんによるとすごく痛かったそうです。

 この患者さんが皮膚科でなく整形外科を最初に受診していれば,まず確実に初診時に外骨腫の診断を受け,適切な治療を受けたはずです。
 しかし,皮膚科を最初に受診したり,市中病院から皮膚科紹介されると,診察した皮膚科医は[これは皮膚科疾患だ」という先入観で患者を診察し,「皮膚科疾患」の中で診断します。その結果が上記の「尋常性疣贅」です。もちろんこれは皮膚科に限ったことではなく,形成外科でも整形外科でも同じでしょう。

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/1035/index.htm】

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