50歳女性。
 2011年9月11日,台所のガスコンロの火が衣服に引火。右肩〜上腕に熱傷受傷。某大学付属病院に救急搬送され,皮膚科でゲーベンクリームを処方され,以後は近くの皮膚科に通院するように説明を受けた。
 皮膚科クリニックではゲーベンクリームで処置を受け,治ったところはヒルドイドを塗るように言われた。一時カデックスも使用。
 痛みが強く,夜も眠れず,2ヶ月半たっても治癒しないため手術が必要と言われた。
 治療に不安になりメールで相談の上,12月6日に石岡第一病院を受診。「穴あきポリ袋+紙おむつ」で被覆。治療開始から程なく痛みはなくなった。その後,練馬光が丘病院に通院。

 完治までに1年以上を要したが,腋窩の瘢痕拘縮は軽度で,右上肢挙上が可能で日常生活に不便はない。長期間の保存的治療でも瘢痕拘縮がほとんど発生しないことがわかる。

 このような症例では「患肢をよく動かしながら上皮化させる」のがコツ。安静にしてはいけない。安静にすると早く治るが,「動かない瘢痕」になって瘢痕拘縮を生じる。
 逆に,動かしながら上皮化させると完治までに時間はかかるが「よく動く瘢痕」になり,瘢痕拘縮は生じないようだ。

 ちなみに,「熱症治療の常識」からすると,「前腋窩線にかかる3度熱傷を保存的治療すると瘢痕拘縮が必発で,肩関節が挙上できなくなる」はずだが,この症例を見ているとそれも嘘であることがわかる。

2011年12月6日 12月9日:痛みが軽度になった

12月22日 2012年1月20日(45日後)

2月21日(77日後) 3月16日(101日後)

4月25日(141日後) 6月4日(181日後)

9月4日(273日後) 10月29日(328日後):上皮化した

2013年3月19日(469日後):瘢痕拘縮は軽度

 2年半後の2015年10月28日,「腕の動きには全く問題はないが,盛り上がっている部分が気になる。治療できないか」ということで受診。ドレニゾンテープでの治療開始となった。

2015年10月28日(1422日後)

【アドレス:http://www.wound-treatment.jp/next/case/hikari/case/002/index.htm】

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