「熱傷で大学病院形成外科・熱傷センターを受診してはいけない」,「ゲーベンクリームは熱傷創面を破壊する」という二つの事実を教えてくれる貴重な症例写真です。
症例は30代女性。1週間前に熱湯で左上肢に熱傷を受傷し,某大学形成外科で治療を受けていました。治療法法は「消毒してゲーベンクリームガーゼで覆う」という方法でした。
5日目,外来担当医から「これは皮膚移植をしないと治らない。明日入院して,手術しましょう」と告げられました。しかし,「仕事もしているし,入院なんてできないよ。いきなり入院といわれて困っている」と職場の知人に相談したところ,「やけどはラップで治るって雑誌に載っていたよ。手術しなくて治るらしいよ。石岡市の病院に先生がいるみたいだから,受診してみたら?」とアドバイスされ,翌日,当科を受診しました。
初診時の状態。ごらんのようにゲーベンクリームがべっとり塗られたガーゼが創面を覆っていました。
創の中心部は水疱膜が破れていたため,ガーゼが直接創面に付着していましたが,その周辺部は水疱膜が残っていて,ガーゼは直接創面に接していません。ゲーベンクリームガーゼが覆っている部分は白い壊死組織が厚く覆っていました。
ゲーベンクリームが覆っていた部分の白い壊死組織を剥がしてみました(上の写真の矢印の部分)が,その下は創面は白くなっていました。
一方,残っていた水疱膜を剥がしてみると,その下では毛孔からの上皮化が確認された(写真の白いポツポツが上皮化している部分です)。
残っている白色壊死を全て除去。ゲーベンクリームガーゼが直接接している部分だけが白変し,水疱膜が残っている部分だけ治癒しつつあることが明確に見て取れます。水疱膜がゲーベンクリームから守ってくれたわけです。
もちろん治療はプラスモイストで覆うだけです。数日後には,中心部の白いところを除いて,ほとんどの部分で上皮化していました。
「ゲーベンクリームを塗ると熱傷は治る」と言い張っている熱傷専門家の先生は多いと思いますが,それはこの「水疱膜がゲーベンから守ってくれている部分だけ治っている」のを,「ゲーベンクリームを塗ったから治った」と勘違いしていただけだということがわかります。
こういうゲーベン医者は死ぬまでゲーベンを塗りたくっていることでしょう。馬鹿は死ぬまで治らないのと同じで,ゲーベン馬鹿も死ぬまで治りません。彼らが死んだら,棺桶にゲーベンクリームを塗りたくって焼いてあげましょう。喜んで成仏してくれるはずです。
研修医の皆さん。この症例写真を目に焼き付けてください。そして,5年後,臨床現場の先頭に立ち,自分で治療法を選べるようになったら,消毒薬もゲーベンクリームも診察室から放棄してください。患者さんを守るためです。患者さんのために,ゲーベンクリームによる治療を拒否してください。
(2009/01/05)