釣り針のはずし方

岡崎外科医院 岡崎匡雄(茨城県常陸大宮市上町323)


 岡崎先生から「釣り針のはずし方」という動画をいただきました。一つは返しの部分が完全に付きぬけている場合,もう一つは返しが皮膚の中に入っている場合で,糸を針の根元に巻きつけて一気に抜く方法で釣り人の間では結構知られている方法のようです。

  1. 959_1.mpg
  2. 959_2.mpg

 後者の方法について,岡崎先生からのメールです。

 教えてもらった先生に、針を引っ張る道具は「ペアンなどでなく糸がいい」と聞いていたのでその通りやっているだけです。ただこのやり方で行うとほとんど痛がりません。痛んでも一瞬の痛みのようです。患者さんに聞いた印象では26Gの針で同じ部位を刺されたより痛くないようです。
 またなぜか分からないのですが、返しがあるにもかかわらず、傷ははじめの刺し傷とほとんどかわりないようです。もともとフライフィッシングの現場で抜くために考えられた方法なので、現場にある材料は限られているというのも糸を使う理由のひとつだと思います。
 フックの彎曲で皮膚を押して針穴を広げるような状態になって返しの先端が穴の中心付近を通過するようになっているのではないかと推測しています。


 その後,岡崎先生から関連する論文をいただきました。末永先生という方が1999年のフライ・フィッシングの雑誌に書かれている論文です。なぜこの方法をするようになったのか,なぜこの方法で針が抜けるのか,他の方法に比べ何が優れているのかについて,詳細に述べられています。
 原著発表から既に15年を経過していますので,そろそろ「公共共有財産」として公開してもいい時期かなと勝手に判断し,勝手ながら公開することにしました。
    ⇒⇒⇒【ヒトの体に刺さった釣り針は糸で抜く】

(2013/07/01)

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