30代男性。4月8日,作業中にレッカー車のドアに左小指を挟み受傷。直ちに近医を受診し,創縫合を受けたが,皮膚が次第に壊死し,皮膚移植が必要といわれた。
不安になり,インターネットを調べて湿潤治療について知り,4月15日に当科を受診した。
次の3枚は初診時の状態である。
初診時の掌側 | 側方 | 背側(ちょっとピンボケ) |
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というわけで,ボックス型のプラスモイスト小指全体を被覆した。通院は週1〜2回とした。
4月21日 | 4月21日 | 5月1日 | 5月1日 |
わずか6日で急速に上皮化が進んでいることがわかる。4月15日の時点で植皮されていたらどうなっていただろうと,恐ろしくなる。
5月9日 | 5月9日 | 6月2日 | 6月2日 |
6月2日,潰瘍はなく小指は普通に仕事で使っている。断端神経腫形成も認めない。ちなみに,かわいい爪も生えている。DIP関節背側に及ぶ損傷であるが,爪母は生き残っていたらしい。
(2009/06/08)