高度な肉芽形成を見た陥入爪(爪周囲炎)の治療例


 症例:18歳女性。1ヶ月ほど前から右第1趾,左第1,2,3趾に痛みがあり,自分で消毒,ガーゼで処置していたが,治癒しないため,4月13日,当科を受診した。

4月13日:右第1趾 右第1趾 左第1〜3趾 左第1〜3趾

 患趾の爪の両脇には高度の肉芽形成があり,爪先端を巻き込むように皮膚が膨隆している。


肉芽を十分に切除 皮膚も切除 翌日からプラスモイスト

 直ちに局所麻酔下に肉芽を大きくえぐるように切除し(両側爪縁が完全に浮くくらいに肉芽を切除),指尖部の膨隆した皮膚も全て切除した。さらに,爪甲中央に縦軸方向1センチほど割を入れた。その後,アルギン酸塩被覆材を貼付し,フィルム材で密封した。また,内服抗生剤を1日分のみ処方した。

 翌日,痛みは全くなくなり,プラスモイストで大きく覆った。患者の治療原理と治療法を詳しく説明し,自宅でも患部の洗浄,ドレッシング交換をしてもらった。


4月15日 4月15日

 普通に高校生活を送れるようになった。


4月24日 4月24日


5月7日 5月7日


5月18日 5月18日


5月25日 5月25日


6月22日 6月22日

 肉芽形成はなく,きれいに治癒している。


 このような,高度の肉芽形成を伴う陥入爪の症例は多いが,私の経験では

という方法で,ほぼ全例治癒している。術後の鎮痛剤は不要,抗生剤も恐らく不要と思われる。

(2009/07/02)

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