プラスモイストTOPの使用例
2010年7月26日に発売されたプラスモイストTOPについてまとめておこう。なお,形状見本,入手法については瑞光メディカルにメール(plus_moist@zuiko.co.jp)で問い合わせていただきたい。
また,インターネットの楽天ショップでも購入できる。 ⇒アンツィアーナショップ(楽天)
【特徴】
- とにかく安い!・・・20×25センチで250円,つまりプラスモイストPの1/4。
- 浸出液が多くても少なくても使える ⇒適応疾患が広い
- 感染創にも使える
【どういう治療材料か】
数学風に表現すれば
[プラスモイストP]ー[吸水層]ー[背面シート]+[接着面]=[プラスモイストTOP]
ということになる。
プラスモイストPの唯一(?)の弱点は吸水力が小さいことだ。これは吸水層の単位体積あたりの吸水力は高いものの,吸水層の厚さが1ミリしかなく,吸水力に限界があったためだ。このため,浸出液や出血の多い創には役不足だったし,猛暑日には貼付部位に汗疹ができたりした。
もちろん,吸水層の厚さを増やせば吸水量を増やすことは可能だが,吸水層が厚くなるほど柔軟性に乏しくなり,創面への密着性が低下する。
そこで,「被覆材に求められているのは,@傷を乾かさないこと,A傷に固着しないこと,B吸水力があること」という原点に立ち返り,[A]と[@+B]を切り離すことにした。そして,プラスモイストPの「非固着性シート(Aの機能)」に接着面を付加し,紙オムツなどの「@+Bの機能を持つもの」にくっつけて使う,という発想が生まれた。これがプラスモイストTOPである。つまり,
- [プラスモイストTOP]+[厚い紙オムツ]=[厚くて吸水力抜群のプラスモイスト]
- [プラスモイストTOP]+[薄いペット用シーツ]=[薄くて柔軟だが吸水力は低いプラスモイスト]
と,貼付相手によって変身するわけである。
【どんな疾患に有効か】
- 熱傷
- 広範熱傷,深い熱傷,V度熱傷,軽傷熱傷まで全てに対応できることを確認。
- アトピー性皮膚炎:
- 乳児期から10年以上,症状の改善のない四肢・体幹・顔面のアトピー性皮膚炎(と皮膚科医から診断されている)に使用。
- 浸出液がほとんどなく,乾燥を防ぐことが目的だったので薄いペット用シーツにプラスモイストTOPを貼付して,これで患肢を包んでみた。
- 翌日,かゆみ等の症状は全くなくなり,患部もきれいになった。こんなにきれいな腕を見たのは初めて,ということだった。
- ペット用シーツが薄いため,肘関節の動きは自由にできた。
- 下腿打撲後血腫
- 下腿打撲後,2週間経過しても吸収されない血腫を局所麻酔下に切開,除去。創部にペンローズドレーン留置。
- 紙オムツにプラスモイストTOPを貼付して創部を覆う。これなら,血液を十分に吸収し,切開部に紙オムツが固着することもない。
- 下肢V度熱傷
- ペット用シーツに貼付して使用。
- 順調に創収縮している。
- 痛みもなく,膝関節の動きも普通。普通に歩いて生活している。
(2010/08/13)
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