熱傷:全症例(?)の経過
・・・このくらいのヤケドでもこのくらいの日数で治ってしまうんだな,ヤケドが治った直後の皮膚ってこのくらい赤いのが普通なんだな・・・といろいろ読み取っていただけましたら幸いです ⇒⇒「熱傷の湿潤治療をしている医師」
73) 1歳男児の下肢熱傷。S大学病院形成外科で「消毒とゲーベンクリームガーゼ」で治療を受け,皮膚移植しないと治らないと説明を受けたそうです。もちろん,プラスモイストで治療。
|
|
5月29日 |
6月6日 |
72) 10ヶ月男児の手掌熱傷。ミトン状プラスモイストで治療した。治療経過はこちら。
71) 55歳男性。左上腕,前腕全周性のU度熱傷。プラスモイストで治療。
前腕伸側の経過。毛孔から上皮化する様子の写真が撮れました(これは一番深かった前腕尺側の写真)。受傷から1ヶ月以上経っても上皮化するんですね。
|
|
|
|
|
4月12日 |
4月12日 |
4月18日 |
4月27日 |
5月2日 |
前腕屈側の経過。
70) 46歳男性の左前腕伸側,屈側の熱傷。他院形成外科か皮膚科で治療を受けていて「皮膚移植しないと治らない」と言われた症例。これもプラスモイストで治療。
なお,初診は4月12日ころで黒色壊死をプラスモイストで覆っていて,白色壊死になっているようだ。
前腕屈側の経過。
前腕伸側の経過
69) 25歳女性の両側足背,下腿熱傷。プラスモイストで治療。
右足背の経過
|
|
|
|
|
5月7日 |
5月9日 |
5月14日 |
5月18日 |
6月5日 |
左足背の経過
|
|
|
|
|
5月7日 |
5月9日 |
5月14日 |
5月21日 |
6月5日 |
68) 29歳男性。足関節部内果の熱傷。治療中に同部の疼痛が発生した。創周囲に発赤が認められたため,創面を覆っている「ゼリー状のフィブリン膜(?)」を除去して(攝子で摘むだけで簡単にはがれる)抗生剤を投与。翌日には痛みがなくなった。
この症例を見ると「熱傷創は細菌感染で深くなる」という「熱傷治療の常識」が間違っていることがわかる。創感染は起きているが深くなっていないからである。
|
|
5月28日 |
5月31日 |
67) 60代くらいの女性だと思う。プラスモイストで治療。
|
|
3月2日 |
3月2日 |
66) 年齢も受傷日も不明の女性,下腿熱傷。皮膚付属器からの上皮化の様子がよくわかるため撮影したのだろう。プラスモイストで治療をしたことは写真から明らか。
65) 33歳女性の顔面熱傷。デュオアクティブで治療。
64) 30代か40代の男性,足背熱傷。プラスモイストで治療をした。
63) 女子中学生の下腿熱傷。受傷後,直ちにラップで治療。しばらく順調だったのに,部活の顧問の先生から「痛くないんだったら練習をサボるな!」と一括され,素直にランニングなどを数時間した。その晩から激痛が起こり,創が深くなったという症例。
湿潤治療は「痛くない」のが最大の利点だが,「痛くない」のと「ヤケドが治った」は別物であり,痛くないからと言って普通に走ったりするととんでもないことになることを教えてくれた症例。 経過はこちら。
62) 30代の男性の大腿熱傷。ラップで治療。
|
|
|
|
|
1月22日 |
1月24日 |
1月29日 |
2月7日 |
2月15日 |
61) 52歳女性の大腿熱傷。某総合病院形成外科で軟膏治療を受けていて「植皮をしないと治らない」と説明された。プラスモイストで治療をした。
60) 60代女性の顔面V度熱傷。糖尿病+糖尿病性腎不全+人工透析中。経過はこちら。
59) 2歳の女児だったかな? トースターの熱い金具に触って右示指,中指に熱傷受傷。某総合病院形成外科で治療を受けていたが,手術をしないと治らないと説明された。その後,当科を受診。デュオアクティブで被覆。
58) 2歳くらいの女児。両側大腿前面の熱傷。最初の数日はラップで治療,その後はプラスモイストで治療をした。
左側は問題なく治ったが,右側は途中でラップがずれて創の一部が衣服に直接くっついたまま半日ほど経過し,その結果,乾燥した部分が全層壊死になり(2月16日),治癒も遅れた。「創面の乾燥」がいかに恐ろしいかを教えてくれた症例である。
まず左側の経過。
次いで右側の経過
57) 年齢不詳の女性の大腿熱傷。プラスモイストで治療。
56) 10代か20代の男性の下肢熱傷。プラスモイストで治療。毛孔からの上皮化がよくわかる一例。
|
|
|
|
|
5月18日 |
5月19日 |
5月22日 |
5月22日 |
5月26日 |
55) 60代くらいの女性の前腕熱傷。プラスモイストで治療。
54)年齢不詳の女性の足背熱傷。プラスモイストで治療。
53)30代くらいの男性の前腕熱傷。プラスモイストで治療。
52) 60代女性の上肢熱傷。最初の2日間はラップで治療したが,浸出液が多いために7月14日からOpWT(穴あきポリ袋+紙オムツ)で3日間ほど被覆。その後はプラスモイストで治療。8ヶ月たつとこのくらいになります。
|
|
|
|
|
7月12日 |
7月14日 |
7月25日 |
8月4日 |
3月22日(8ヶ月後) |
51) 40歳男性の下腿熱傷。最初ラップで治療をしていたが,汗疹ができたため,その後プラスモイストに切り替えた。汗疹は速やかに消退し,熱傷も治った。
|
|
|
|
|
3月7日 |
3月7日 |
3月10日 |
3月15日 |
3月17日 |
50) 20代くらいの男性。プラスモイストで治療。19ヶ月後に別の外傷で受診した際に頼み込んで患部を撮らせてもらった。それが582日後の写真。
|
|
|
|
|
|
8月9日 |
8月17日 |
8月23日 |
8月31日 |
9月15日 |
3月13日(582日後) |
49) 34歳女性の大腿熱傷。プラスモイストで治療。
48) 57歳女性の右足関節部外側の熱傷。プラスモイストで治療。
47) 54歳女性の顔面〜頚部の熱傷。顔面はデュオアクティブ,頚部はプラスモイストで治療。
46) 20代の男性だったと思う。上腕〜前腕の熱傷。ラップで治療。11月27日の写真は「毛孔からの上皮化」がよくわかる一枚(赤い肉芽面にポツポツと白い点が見えるが,これが全て毛孔から再生しつつある皮膚)。
|
|
|
|
11月10日 |
11月20日 |
11月26日 |
11月27日 |
45) 20代か30代の女性の足背熱傷。S大学病院形成外科で治療を受け,「皮膚移植しないと治らない」と説明を受け手術予定だったが,すんでのところでS大学病院を逃げ出して受診,救出(?)した。プラスモイスト貼付のみで完治。運動障害なし。
44) 50代くらいの女性の両側手背熱傷。プラスモイストで治療。
|
|
|
|
|
9月26日 |
9月26日 |
9月28日 |
10月4日 |
10月17日 |
|
|
|
|
10月14日 |
10月24日 |
11月14日 |
11月14日 |
43) 80代半ばの女性。1月10日の写真は初診翌日くらいのものと思われる。救急外来で治療し,翌日外来を受診したものだろう。ラップで治療。
42) 20代か30代の女性。最初の2日はラップで,その後はプラスモイストで治療。
12月7日から22日まではほとんど上皮化が進んでいないが,実はこの「上皮化が進まない」事が大切。手背や足背,膝関節,肘関節などの可動域の大きな部位の熱傷・皮膚欠損創では「最後の1センチの上皮化」に数週間以上かかることが珍しくない。しかしその結果,よく動く皮膚が再生するのだ。要するに,動きに耐える皮膚が再生する最適のタイミングを待っているように思えるのだ。つまり,「速く治って動きが悪い」のがいいか,「ゆっくり治ってよく動く」のがいいかという二者択一である。
|
|
|
|
|
11月22日 |
11月22日 |
11月28日 |
12月7日 |
12月22日 |
41) 30代の女性だったと思う。前腕屈側の熱傷。プラスモイストで治療。
|
|
|
|
|
10月12日 |
10月13日 |
10月24日 |
11月2日 |
12月1日 |
40) 40〜50代女性。前腕背側〜手背の熱傷。恐らく,「熱傷水疱を潰さないようにフィルムで保護して治そう」と頑張っていた最後の時期の症例。結局,どう工夫しても水疱が破れてしまうことがわかった。同時に,熱傷学の教科書に「水疱膜は温存せよ」と書いてあるのに「どうしたら破れずに温存できるか」について書かれていないことに気付き,教科書の記述は机上の空論ではないかと悟ったのはこのころだと思う。水疱膜が破れた後はプラスモイストで治療した。
|
|
|
|
|
|
3月25日 |
3月25日 |
3月29日 |
3月31日 |
4月7日 |
4月16日 |
39) 3歳くらいの女児。上肢と大腿の熱傷。ラップで治療。大腿の経過を提示。
38) 50〜60代(?)の女性,下腿熱傷。ラップで治療。
37) 20歳前後の男性。前腕熱傷。ラップで治療。
|
|
|
|
|
5月10日 |
5月12日 |
5月18日 |
5月25日 |
6月20日 |
36) 30代男性。炎による顔面〜頚部熱傷。顔面はデュオアクティブ,下顎部〜頚部はプラスモイストで治療。
35) 20〜30代(?)の男性。肘部〜前腕の熱傷。ラップで治療。
34) 恐らく20代の男性の前腕遠位屈側〜母指球の熱傷。ディスポの手袋ドレッシングで治療で治療。
33) 30代の男性だったと思う。ディスポの手袋ドレッシングで治療で治療。
32) 60代(?)の男性。大腿熱傷。ラップで治療。外来通院で治療。
|
|
|
|
|
6月13日 |
6月14日 |
6月16日 |
6月20日 |
6月22日 |
31) 18歳男性。衣服に引火して右下腿全周性〜足背・足底の熱傷。ラップで治療。外来通院で治療。
|
|
|
|
12月3日 |
12月3日 |
12月10日 |
12月22日 |
30) 多分,アラフォーの女性。右頬部のSDB。プラスモイストで治療。
29) 60〜70代の男性。上腕〜前腕の熱傷。最初の3日はラップ,以後はプラスモイストで治療。
28) 真夏の砂浜で両側足底熱傷。20歳前後の男性か。プラスモイストで治療。
27) 中年女性の手指背側熱傷。プラスモイストで治療。
|
|
8月1日 |
8月1日 |
|
|
8月3日 |
8月8日 |
26) 50代女性。熱い鉄板か何かが顔に接触して受傷したと記憶している。4月10日ころまではプラスモイスト貼付,それ以降はデュオアクティブで治療。上皮化完了後は遮光を続けたが,遮光以外の治療(内服薬とかビタミンCとか軟膏とか)は一切していない。4月4日の状態を見た時はV度熱傷かなとかなりビビってしまった。しかし,白色壊死が取れたあと(4月7日)の創面を見ると毛穴がしっかり残っていてU度熱傷であることを確認。ひと安心した。
|
|
3月28日 |
3月29日 |
|
|
4月4日 |
4月7日 |
|
|
4月11日 |
4月15日 |
|
|
5月9日 |
6月16日 |
25) 70代以降の女性。数日前に熱傷を受傷し,摩り下ろしたジャガイモをガーゼに塗ったもので自分で治療していた。家族に説得されて受診。ジャガイモ(?)を洗い落としたあと,プラスモイストで治療。ジャガイモ(?)を除去した創面は乾燥していた。
24) 1歳男児の右大腿熱傷。プラスモイストでのみ治療。
23) 87歳の女性。足背熱傷。ラップのみで治療。
|
|
|
|
11月17日 |
11月22日 |
12月09日 |
翌年1月11日 |
22) 中年男性の手背熱傷だったと思う。ディスポの手袋ドレッシングで治療で治療した。
|
|
|
|
|
9月30日 |
10月4日 |
10月7日 |
10月12日 |
10月18日 |
21) 70代男性だと思う。上腕外側の熱傷。ラップで治療した。
|
|
|
|
|
11月25日 |
11月26日 |
12月9日 |
12月16日 |
12月29日 |
20) 70代女性の顔面熱傷。原因は熱湯でしょうね。ハイドロコロイドで治療。
|
|
|
|
12月10日 |
12月11日 |
12月15日 |
12月22日 |
19) 母指背側熱傷の男性。ハイドロコロイドで治療。
18) 40代女性だったと思う。熱湯による左大腿〜下腿,足背〜足底の熱傷。ラップで治療。外来通院で治療。
|
|
9月16日 |
10月13日 |
|
|
|
|
|
9月9日 |
9月15日 |
9月21日 |
9月28日 |
10月13日 |
17) 20代男性と思われる。熱い油が跳ねて両側頬部に熱傷。デュオアクティブで治療。左側の経過を提示。
16) 30代の女性かな? 熱湯による大腿部熱傷。最初はラップ,その後プラスモイスト(プロトタイプ)で治療。
15) 96歳女性。数日前に熱湯で下腿熱傷。入院もできなく,連日の通院も難しいとのことで,ラップによる治療法を指導し,家庭で処置を続けてもらい,1週間に1度の通院とした。
14) 男性。足背〜足関節部の熱傷。ラップで治療。
|
|
|
|
|
3月17日 |
3月25日 |
3月30日 |
4月4日 |
4月20日 |
|
|
|
|
|
3月17日 |
3月25日 |
3月30日 |
4月4日 |
4月20日 |
13) 30代男性の下腿熱傷。他院で「ゲーベンクリームとソフラチュール」で治療を受けていて,確か,植皮しないと治らないと言われて当科を受診したんじゃなかったろうか。最初はラップ,途中からプラスモイストで治療した。
12) 30代くらいの男性。大腿外側の熱湯による熱傷。スポーツ選手で大腿が半端なく太かった。
11) 60〜70代の女性と思われる。熱湯による右足背熱傷。
|
|
1月27日 |
2月1日 |
10) 20代の男性だったと思う。熱い油による右手背(示指・中指)の熱傷だったと思う。デュオアクティブで治療。
|
|
6月7日 |
6月18日 |
9) 年齢不詳の女性。前腕熱傷。ラップで治療。
8) 50代の男性だったと思う。熱した油で両手に受傷。最初の4日くらいはラップで被覆。その後はディスポの手袋ドレッシングで治療。
手や指のように可動域の広い部位,動かなければ使い物にならない部位の熱傷では「安静にせず,よく動かしながら治療する」のがこつ。完全上皮化までは時間がかかるが(この症例だと,左手背の最後に残った1センチの潰瘍の上皮化に1ヶ月かかった),十分に動く皮膚が再生する。軽度の肥厚性瘢痕は生じているが,瘢痕拘縮は生じていない。
逆に,動かさずに安静にすると早く治るが,動かない皮膚で治ってしまう。1,2ヶ月早く治るが使いにくい手がいいか,完治に1,2ヶ月余計に時間ががかかるが動く手がいいか,これは患者が選択すべきだろう。
|
|
|
|
10月27日 |
11月29日 |
12月29日 |
1月27日 |
7) 恐らく中年女性,両側大腿熱傷。ラップで治療。
6) 1歳の男児。右下腿〜足背の熱傷。ラップで治療。
|
|
|
|
|
12月20日 |
12月24日 |
12月30日 |
1月5日 |
1月13日 |
5) 1歳6ヶ月女児。前腕全周性の熱傷。S大学病院を受診し,「皮膚移植をしないと治らない。皮膚移植をしないと機能障害が起こる。早期に手術しないと敗血症になる」と説明を受け,その説明に不安になった両親がネットで検索し,翌日当科を受診。ラップで熱傷治療した最も早期の症例(2004年)。
4) 恐らく中年女性。熱した油による手背熱傷だったと思う。最初は「ティエール+ハイドロサイト」で,その後デュオアクティブで治療。途中でカメラを変えたため,色調が突如変化するのはご愛嬌。2004年の症例。
3) 30代くらいの女性。両側大腿熱傷の右側の経過。コムフィール(ハイドロコロイド)で治療。
2) 30代女性。天ぷらを揚げている最中にてんかん発作が起きて意識を消失し,左手が熱した油の中に入っていたらしい(油に入っていた時間は不明)。家庭の事情で入院できないとのことで,保存的に治療。2001年の症例でティエール(ハイドロポリマー)を筒状にして指をすっぽり覆って治療。
上皮化終了後3ヶ月目に,指の伸展拘縮に対し瘢痕拘縮形成術+植皮術を行っている。術後,比較的小さなものも摘めるようになった。
背側の経過。
掌側の経過。
1) 多分50代か60代の女性。大腿熱傷。この頃(2002年)はコムフィール(ハイドロコロイド)で治療していたようだ。
|
|
|
|
|
|
8月13日 |
8月13日 |
8月14日 |
8月19日 |
8月26日 |
9月9日 |
0) 20代初めの女性。前腕熱傷。2001年の症例で,この頃は乾燥豚皮(アロアスク)で治療をしていた。水疱膜はしっかり除去していたことがわかる。
左側にフレームが表示されない場合は,ここをクリックしてください